ウクライナ、2か月連続でロシア軍のA-50早期警戒機が撃墜!攻撃したのは退役したS-200か

ウクライナ、2か月連続でロシア軍のA-50早期警戒機が撃墜!攻撃したのは退役したS-200か
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ウクライナ国防省情報総局はアゾフ海上空でロシア空軍の早期警戒管制機A-50を撃墜したと発表しました。ウクライナ軍は今年1月14日に同地域でA-50の撃墜を発表しており、2か月連続の撃墜になります。ロシア軍にとっては航空作戦に不可欠なA-50を立て続けに2機失った事は大きな痛手です。そして、今回、注目すべきはA-50を撃墜した兵器が旧式のS-200防空ミサイルを使用したとされる点です。

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ウクライナ国防省情報総局は23日金曜、ウクライナ空軍との共同作戦のもとウクライナ南部アゾフ海上空でロシア軍の早期警戒管制機ベリエフA-50を撃墜した事を発表しました。A-50への攻撃は夜間に行われており、その様子は動画にも納められ、A-50が対空ミサイルを回避するためにフレアをばら撒く様子がSNSに投稿されています。そして、被弾したA-50はアゾフ海頭部に面するロシア南部のクラスノダール地方カネフスコイ地区に墜落、同機が地上で激しく炎上する様子も動画に納められています。機体には乗員15人が乗っていたとされていますが、生存者がいたのかは不明です。

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ウクライナ軍は今年1月14日にもアゾフ海上空でロシアのA-50を撃墜した事を発表しており、2か月連続の撃墜になります。ロシア空軍機の撃墜は度々報告されていますが、基本、敵の攻撃範囲外の安全空域を飛行する早期警戒機のA-50が2か月連続で撃墜されるというのは異例中の異例です。

前回1月に撃墜されたA-50は前線から100kmほどのウクライナの港湾都市ベルジャンシク付近を飛行中に攻撃を受け、アゾフ海上に墜落しており、アメリカから供与された防空ミサイルシステム「パトリオット PAC-2」によるものと推測されていました。しかし、今回のA-50が墜落した場所はウクライナ南部の前線から約300km離れているとされます。墜落した場所と攻撃された場所はイコールではありませんが、少なくとも250km以上離れた場所から攻撃を受けたのは確かと思われます。これは、パトリオットの射程外です。パトリオット PAC-2の最大射程は160kmなので到底届く距離ではありません。ウクライナ国防情報部の情報筋によれば今回、A-50の攻撃に使用したのはソ連製の防空ミサイルシステムS-200とされています。ただ、この兵器、半世紀以上前に開発された兵器で、ロシアでは既に全基退役している、旧式の兵器です。

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S-200

S-200は1960年代にソ連で開発された長距離高高度防空ミサイルシステムです。冷戦下の中、米国の高高度戦略爆撃機・偵察機に対抗するために開発されました。探索レーダーの探知範囲は600km、火器管制レーダーは270km。ミサイルの射程はバージョンによって異なりますが150~300km。高度は300~20,000m、後期型では35,000mまで拡大しています。誘導方式はセミアクティブレーダーホーミング、近接信管を搭載。1980年代までソ連及び、ワルシャワ条約機構の国々の防空を担っていましたが、1970年代に後継のS-300が登場すると、徐々に防空ミサイルの主役の座はS-300に置き換わり、少なくとも2010年代にはロシア軍から姿を消し、多くの国でも既に退役、ウクライナ軍でも2013年に全基退役しています。

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しかし、ウクライナ軍はロシア軍の侵攻に対し、ミサイルが不足していたため、倉庫に眠っていたS-200を呼び戻しました。しかし、それは防空ミサイルではなく、対地ミサイルとして使用していることが昨年確認されています。古いS-200は防空ミサイルとしては性能は陳腐化しており、現在の戦闘機には通用しません。しかし、弾道ミサイル的用途で使用すれば、その射程は最大500kmになると言われており、これはウクライナが保有していた対地ミサイルの倍近い射程で、ロシア領内の奥深くまで攻撃が可能です。精密攻撃はできませんが、220kgの大型弾頭を搭載、軍事基地や空港など拠点攻撃に有効です。

ウクライナ軍はそんな経緯で復活させていたS-200を再び防空ミサイルとしても復活させたのかもしれません。最大射程300kmは前線から墜落地点までを納めており、射程的には問題ありません。通常、防空ミサイルは破壊されるのを恐れ、前線近くまで配備しません。特にパトリオットなど西側から提供された物はなおさらですが、その点、旧式のS-200であれば、多少のリスクがあっても、前線に配備するでしょう。また、S-200は現代の戦闘機には通用しませんが、運動性が悪く、的が大きいA-50の大型機であれば、可能性は高まります。ただ、対防空ミサイル機能が備わった現代軍用機を一発で撃ち落とす事は難しく、攻撃時の映像では1発がフレアによって妨害、爆発しており、少なくとも2発以上が使用されたと思われます。

ロシア航空宇宙軍に配備されているA-50は近代型のA-50Uが6機と旧式のA-50が3機の僅か計9機のみであり、内1機は1月に墜落しており、残りは僅か7機のみとなります。しかし、昨年2月にはべラルーシの空港に駐機中だったA-50が国内パルチザンの攻撃を受けて損傷しています。今回、撃墜されたのは改良モデルのA-50Uとされており、機体価格は3.3億ユーロ、日本円で500億円にもなる、ロシア空軍の中で最も高価な機体です。現在、ロシア国内の工場では不眠不休で旧式のA-50の改良作業が行われているとされています。倉庫には複数機のA-50が眠っています。ロシア軍は最近、地上部隊への航空支援を高めているとされていますがA-50の損失はこれを難しくさせ、ロシアはウクライナ南部上空の制空能力を急速に失いつつあります。ウクライナ軍は夏までには最初のF16戦闘機を受け取る予定で、そうなれば、南部の航空情勢は変わってくるでしょう。

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