このままではウクライナに送られた対戦車ミサイル”ジャベリン”が使えなくなる

このままではウクライナに送られた対戦車ミサイル”ジャベリン”が使えなくなる
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ウクライナへの軍事物資として大量に送られた対戦車ミサイルの「FGM-148ジャベリン」。しかし、ロシアの侵攻開始から100日が過ぎた今、戦場では故障、誤作動といった致命的な問題に直面しており、なんとかしないとジャベリンが今後、使用できなくるかもしれません。

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大量に提供されたジャベリン

戦車大国のロシアに対抗するため、ウクライナにはジャベリン、NLAW、カールグスタフ、パンツァーファウストなど多種多様な対戦車兵器が提供されています。その中でも、注目を浴びたのがアメリカやバルト三国から提供された対戦車ミサイル「FGM-148 ジャベリン」。ジャベリンは世界最強の携行式対戦車ミサイルで、射程は2000mと長く、セルフ誘導・撃ちっぱなしのファイア・アンド・フォーゲット、そして、トップアタックといわれる戦車の最も脆弱な砲塔を上面の装甲を狙って撃つことができます。此度の戦争でも多くのロシア戦車がジャベリンの餌食になっており、ウクライナの人々はジャベリンの偉業を称え、「Saint Javelin(聖・ジャベリン)」と呼びました。アメリカだけで4月までに5500発のジャベリンミサイルを送っています。

メンテナンスの方法が分からない

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ジャベリンは照準ユニットのCLU(Command Launch Unit)、ミサイル本体とチューブのLTA(Launch Tube Assembly)とそれに付随するバッテリーのBCU(Battery Coolant Unit)で構成されています。この内、LTAとBCUは使い捨てになるのですが、高度な電子光学サイト・暗視装置を搭載するCLUは再利用して何度も使用します。

どの兵器にも言えますが、使用すれば、大きな負荷がかかります。戦場という強度の高い過酷な環境で使用するので故障や破損が発生、定期的なメンテナンス、修理や部品の交換が必要です。ジャベリンも使い続ければいずれガタがきます。ロシアの侵攻が始まって既に100日が過ぎており、戦地では故障、照準に誤差が発生するなど致命的な問題が出始めています。CLUはジャベリンの肝であり、これが正常に機能しなければ兵器として機能不全に陥ったことになります。しかし、アメリカのワシントンポストによれば、ウクライナ軍の前線の兵士にジャベリンのCLUのメンテナンスに精通している者がいなく、これを修理するサポート体制も無いようです。

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携行式、肩から発射する対戦車兵器のジャベリンは戦車などと比べて扱いが容易とされ、即効性あると軍事支援として届けれました。西側のボランティアによる訓練支援により、ウクライナ兵は短期間で扱い方を学びましたが、その後のアフターケアについて学んでいません。この時、この戦争がここまで長期化するとは多くの人が思っていなかったでしょう。ジャベリンには258ページの操作運用マニュアルがあり、現場の兵士はそれをGoogle翻訳を駆使しながら、ゲームコントローラーの部品を使って修理を行ったようです。しかし、これは上手くいきませんでした

修理には製造元(ロッキード・マーチン)のサポートが必要です。実はジャベリンには「ジャベリンミサイルコールセンター」というトラブル対応のサポートコールセンターがあり、現場で問題があった時に相談できるよう、ジャベリンの箱にはコールセンターの番号が掛かれた「カード」が通常入っているそうなのですが、ウクライナに提供されたジャベリンにこのカードは入っていなかったとワシントンポストは伝えています。武器は提供するが、その後のサポートまでは含まれていなかったことです。

この問題はジャベリンに限ったことではありません。戦争が長期化にするにつれ、兵器を提供した西側はメンテナンスや修理といったアフターケアの後方支援も今後考えなければならないかもしれません。

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Source

https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/06/14/ukraine-javelin-assistance/

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