Zenturio C1300といった軍や法執行機関向けのヘルメットを開発製造するオーストリアのヘルメットメーカー”Ulbrichts”社はパリで開かれていたMilipol Paris 2021でAK-47の7.62x39mmやAR-15の7.62x51mm弾といった強力なライフル弾を防ぐ弾道ヘルメットを発表しました。
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Ulbrichts社の新しいVPAM6弾道ヘルメットは、AK-47といったロシア製ライフルで広く利用されている強力な7.62x39mm弾やNATO標準弾でスナイパーライフルにも使われる7.62x51mm弾から追加の保護シールド(FORTIS)を使用せずに、弾丸を止め頭部を保護します。しかし、ただ弾丸を止めるだけではその衝撃は頭部や頸椎に伝わって脳や頭蓋骨に損傷を与えます。真の保護は、銃弾を止めるだけでなく、ヘルメットの変形を防ぎ、頭部に受けるエネルギーを削減することです。この新しいヘルメットは弾丸の衝突時に残る残留エネルギーを2000ジュールから、頭部に衝撃を受けても存続可能な25ジュール以下まで削減します。
昨今、各国の警察や軍にとって直近の脅威になっているのはテロリストや武装組織であり、彼らの武器の多くは7.62mm弾を使うAK-47、ドラグノフ狙撃銃になります。それに対し、法執行機関や軍のヘルメットは7.62mm弾に耐える設計になっていません。そもそもそれ以下の5.56mmも防げないのがほとんどとされています。唯一、小銃弾に耐えるヘルメットを装備しているのはECH(Enhanced Combat Helmet)を採用している米海兵隊ぐらいです。
VPAM6弾道ヘルメットは来年2022年の発売を予定しています。
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