ゼレンスキー大統領の米国までの移動の内幕、AWACSが警戒し、F-15が護衛に

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ウクライナのゼレンスキー大統領が12月21日、ロシアによる侵攻が始まって以降、初の海外訪問として最大の支援国であるアメリカを訪れ、バイデン大統領と会談を行い、米国議会での演説では、謝意と更なる支援を訴えた。今回の訪米、ゼレンスキー大統領がロシアから命を狙われていることもあり、安全面に最大限に配慮、直前まで秘密裏に進められ、最終決定は安全の確保が確認できた訪米3日前になる。厳戒態勢の中、訪米に至った。

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C-40B(USAF)

まず、アメリカがゼレンスキー大統領を乗せるためにウクライナの隣国ポーランドの東部ジェシュフ空港 (RZE)に軍用機のボーイング C-40Bを飛ばした。C-40は米海軍及び米空軍が運用している輸送機で、主に政府高官の移動や人員輸送を目的とした機体。ボーイング737-700旅客機をベースにしており、通信機能が強化されている。

ジェシュフ空港はウクライナ西部の主要都市リヴィウから約200km、車で約3時間の距離にあり、ロシアの侵略が始まって以降、重要な物流拠点となっている。ゼレンスキー大統領はポーランドまではウクライナから鉄道が繋がっている東部の都市プシェミシルまで鉄道で移動している。車の方が早いらしいが、鉄道の方が安全と判断された。その後、空港に移動し、C-40Bに乗り込み、21日水曜午前8時15分に同空港を離陸した。

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離陸の1時間前にはNATOの早期警戒管制機 (AWACS) はドイツから飛行経路にあたる北海に飛んで、ロシアの警戒にあたっていた。C-40Bはドイツ上空を通過し、イギリス上空に差し掛かると、アメリカ空軍の F-15戦闘機がイギリス空軍基地から離陸し、C-40Bの護衛飛行に加わった。F-15はスコットランド上空に差し掛かると、編隊から離脱、イギリス東部のミルデンホール基地に戻った。それまで、C-40BはFlightradar24などリアルタイムフライト追跡で確認することができたが、スコットランドの海岸から約 300km沖の大西洋でフライト追跡から姿を消した。

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その後、ゼレンスキー大統領を乗せたC-40Bは飛行距離7,380km、約10時間のフライトの末、ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に現地時間正午ごろに到着。厳重な警護のもと、ホワイトハウスまで移動し、バイデン大統領と会談。2月24日にロシアの進行が始まって以降、初の海外訪問を成功させた。ロシアの侵攻当初、アメリカやNATOはゼレンスキー大統領にウクライナ脱出を進めていたが、それを断固拒否。ロシアがキーウ近郊に迫った時もゼレンスキーはキーウに留まり、ウクライナを離れることは無かった。ゼレンスキーは訪米の前日に最前線のバフムートを訪れ、兵士を激励している。

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Source

Here’s how Volodymyr Zelensky is traveling to US in first visit since war began

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