低空飛行は注意!対ヘリコプター地雷

低空飛行は注意!対ヘリコプター地雷
Photo US Army

地雷というと戦車や車両を破壊するための対戦車地雷。人を殺傷するための対人地雷など、地上部隊を標的としたものを思い浮かべますが、地雷の中には低高度を飛行するヘリコプターを標的とした対ヘリコプター地雷があります。

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主な性能

一般的な地雷と同様に地上に設置しますが、対戦車・対人地雷のような埋設型とは異なり、土の中に埋めて完全に見えないように隠したりすることはなく、地表に設置します。地雷には主に音響センサーと赤外線センサーが搭載されています。まず、音響センサーで近いづいてくるヘリコプターのプロペラ音を検知。これにより、地雷の赤外線センサーがアクティブ化されます。赤外線は上空に照射され、その上をヘリコプター通過しようとするセンサーが検知し、起爆。複数の装甲弾を上空に放出し、低空を飛行するヘリコプターに損害を与えます。

代表的な対ヘリコプター地雷

ブルガリアの対ヘリコプター地雷

ブルガリアは4AHM-100、AHM-200、PMN-150、PMN-250といった複数の対ヘリコプター地雷を開発しています。数字は主に有効範囲を示しており、PMN-250であれば、最大250m上空のヘリコプターに損害を与えます。AHM-200は100mの距離で1cmの装甲を貫通します。センサーにはマイクロ波と振動センサーも含まれます。音響センサーはプロペラ音でヘルコプターの種別を判別できるため、味方のヘリを誤爆させることはありませんし、他のセンサーを組み合わせることで人や動物、車など他の要因で起爆することはありません。リモートでアクティブ・非アクティブ化させること可能で、90日間アクティブ状態で設置が可能です。

Helkir(ヘルキル)

オーストリアの対ヘリコプター地雷で最大有効射程は500mになります。50mで最大6mmの装甲鋼、150mで最大2mmの軟鋼を貫通する可能性があります。120日間のアクティブ状態で設置が可能です。

PVM

PVM 対ヘリコプター地雷
ИНЖЕНЕРНАЯ ТЕХНИКА

「PVM 」または「Boomerang(ブーメラン)」と呼ばれるロシアの対ヘルコプター地雷です。上記の2つはまだ運用中なのか不透明な部分がありますが、PVMは実際に現在運用されているようで、米軍が警戒しています。搭載されている音響赤外線センサーの検出範囲は広く、3.2kmになります。センサーはヘリコプターやその他の航空機を識別し、離陸、着陸時に低空で飛行する航空機も対象にします。広い検出範囲に対し、攻撃範囲は短く、150mしかありません。標的を検出すると、弾頭は向かってくる標的の方向に向きを変え、射程範囲内に標的が到達すると搭載した弾頭を発射、最大12mmの装甲を貫通します。低空飛行の標的に限られるため、ヘリが低空飛行せざる負えない攻撃時、または離着陸、兵員の輸送時を対象しており、拠点防衛または敵基地周辺の設置を前提としています。90日間アクティブ状態で設置が可能です。

上記以外にもイランが有効射程500mの対ヘリコプター地雷”Sa’eqeh (thunderbolt)”を開発しているとされています。

攻撃ヘリへの抑止力

対ヘリコプター地雷は抑止力とも効果を発揮します。攻撃ヘリの交戦高度はヘルファイアといったミサイルの使用で150~300m、機関砲の場合は100m以下と低くなります。高度が引くければ低いほど命中率は高くなります。また戦場では敵から身を隠し、レーダーに検知されにくいよう低空や山間を飛行します。しかし、地雷の存在が分かると、それを警戒し、ヘリコプターは高度を下げたり、低空飛行ができなくなります。高度を上げれば命中率は下がり、敵に発見されやすく、かえって対空兵器の餌食になってしまいます。

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Source
https://defendingrussia.ru/enc/inzhenernaja_tehnika/protivovertoletnaja_mina_pvm-1901/

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