スネーク島奪還の陰にイギリス海兵隊特殊舟艇部隊SBS

スネーク島奪還の陰にイギリス海兵隊特殊舟艇部隊SBS
mod ukraine

ロシアによって侵攻初日に占領された黒海の要衝スネーク島(スミイヌイ島)は6月30日にロシア軍が撤退したことで4カ月に及ぶ占領から解放され、7月初めにウクライナ軍が上陸、国旗を掲げ、ウクライナは完全にスネーク島を奪還した。実はこの奪還の陰にイギリス海兵隊の特殊舟艇部隊SBSがいたことをイギリスの複数メディアが報じています。

sponser

ドーセットに本拠を置くSBSはウクライナ軍がスネーク島を奪還する手助けをするために、ウクライナを訪れ、第73海軍特殊任務センターの隊員たちに訓練を行っていたことが明らかになりました。彼らは第73に対し、Diver Propulsion Devices (DPD)と呼ばれるダイバー推進装置を駆使して、水中を長距離移動し、海上、水中における偵察、情報収集、破壊工作、機雷解除といった、いわゆるフロッグマンとして必要なスキルを伝授します。SBSの訓練を受けた第73は7月7日の夜に水中から島に近づき、周辺の海域と海岸線を偵察、機雷の有無を確認し、安全な航路を確保すると、本体に合図を送り、後続部隊の安全な上陸を支援。SBSの先導のもと、本隊のSOF (特殊作戦部隊)に第59独立動力化歩兵旅団の戦闘工兵と第801独立分遣隊の海軍要員が島に上陸。工兵たちが最初に島に上陸し、ロシア軍が撤退時にに設置していった地雷やブービートラップを排除し、他の部隊のために通路を確保。そして、島を完全に掌握すると、ウクライナ軍は島に国旗を掲揚し、スネーク島の完全奪還を達成します。

sponser

SBSとは

Royal Navy

特殊舟艇部隊SBS(Special Boat Service)はイギリス海軍管理下の海兵隊に属する特殊部隊で、イギリス陸軍の特殊空挺部隊SASの陰に隠れがちですがSASと双璧をなす部隊です。その歴史は古く、第二次世界大戦に発足し、SASと合わせ世界で最初の特殊部隊といわれています。舟艇部隊とあるように水上水中に特化した部隊になり、同様の部隊である米海軍のネイビーシールズなど各国の海軍特殊部隊がお手本にした部隊で世界でも最強クラスの特殊部隊です。

sponser

ウクライナを支援するイギリス軍特殊部隊

イギリスは今回のロシア侵攻に対するウクライナへの最大の支援国の一つですが、武器の提供といったハードだけではなく、情報や訓練といったソフト面でも大きな役割を果たしています。イギリスはロシアの侵攻前から、2021年に陸軍に創設したばかりの特殊部隊レンジャー連隊をウクライナ軍の訓練のために派遣しています。連隊の主たる任務はもとより国外の紛争地域に赴き、地元軍に訓練を行い、戦闘、偵察、監視といった専門的なノウハウを提供することであり、それを遂行した形になります。部隊はロシア侵攻後も国内に留まり、ウクライナ兵に訓練を行っています。また、侵攻当初に首都キーウでロシアの傭兵部隊ワグネルやチェチェンのカディロフツィによって数十回企てられたゼレンスキー大統領の暗殺。これを阻止したのが身辺警備にあたっていた英陸軍の特殊空挺部隊SASとされています。SASは特殊部隊の元祖と言われており、世界の特殊部隊はSASから指導、またはこれを参考に創設されており、世界最強の特殊部隊の一つです。ロシア侵攻の危機が迫るとイギリスは100人規模のSAS隊員を軍事顧問としてウクライナに派遣。豊富な経験と知識をもとに身辺警護の方法やゲリラ戦、対戦車ミサイルを使用した戦術など、ロシア軍に対抗するための高度な軍事スキルをウクライナ軍に提供していました。

このようにイギリス軍特殊部隊の支援があり、今のウクライナの善戦があると言っていいでしょう。

sponser

Source

https://www.thesun.co.uk/news/19298204/british-special-forces-train-ukraine-with-underwater-vehicles/

sponser
スネーク島奪還の陰にイギリス海兵隊特殊舟艇部隊SBS
フォローして最新情報をチェックしよう!