台湾の検察当局は先日、進水したばかりの国産潜水艦の機密情報が漏洩した告発を受け、捜査を開始していることを発表した。漏洩が事実であれば重大な安全保障違反となる。
写真 台湾国防部台湾が初めて自主建造した国産潜水艦「海鯤(かいこん)」の進水式が28日、蔡英文総統同席のもと、台湾南部の高雄にある造船所で行われた。[adcode]BREAKING: Finally a first[…]
9月28日に進水したばかりの台湾初の国産潜水艦「海鯤(かいこん)」。国産潜水艦は台湾の悲願でもあった。しかし、その喜びに水を差すニュースが2日に報じられた。
ロイターの報道によれば、台湾軍総参謀長も務め、今回の潜水艦プロジェクトを主導した黄樹光提督が潜水艦プロジェクトの入札に参加し、落選した業者が中国に潜水艦の情報を転送するなど機密情報を漏洩させ、更に一部の議員が重要な設備の購入を妨害し計画を妨げたと告発した。入札に参加する業者には見積を作成するために、依頼主(台湾国防部)からRFP(提案依頼書)を含め、依頼内容の詳細資料が渡されるが、漏洩したとすれば、これが中国に渡った可能性が高い。また、台湾では最近、親中政党で野党の中国国民党が勢力を伸ばしており、中国を刺激する潜水艦の建造に反対する議員がいるのは容易に想像がつく。
台湾検察庁は会社名や氏名、詳細などは明らかにしていないが、もし、潜水艦の情報漏洩が事実なら、中国が水中探査機をリバースエンジニアリングしたり、潜水艦の弱点を特定して効果的な対策を講じるために利用される可能性があるとされる。台湾の潜水艦建造には日本を含め8カ国が支援しているとされ、計8隻の建造を予定しているが、情報漏洩を恐れ、今後の協力体制に亀裂が入る可能性もある。
今回、進水した一番艦である「海鯤」は今後、海上テストを経て、順当にいけば2024年末に海軍に引き渡される予定だ。
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