イギリスはウクライナに追加援助としてWS-61シーキングヘリコプターを贈りました

イギリスはウクライナに追加援助としてWS-61シーキングヘリコプターを贈りました
Royal Navy

イギリス国防省によれば、英国政府はウクライナへの追加支援として、新たにWS-61 Sea King(シーキング)ヘリコプター3機を送ることを決定。既に1機はウクライナに送られ、パイロットの訓練も終えており、作戦準備が整っています。

3機のシーキングは追加砲弾1万発を含む、イギリスからウクライナへの新しい追加軍事支援の一部です。シーキング自体の支援は数か月前から決まっていたことらしく、それを表すかのようにウクライナ人パイロット10名が少なくとも6週間に及ぶ飛行訓練を受け、操縦試験に合格しています。ウクライナ軍のヘリコプターはこれまでソ連/ロシア製のMi-8、Mi-24が主で、軍事支援で提供されるのもこれらロシア系統のヘリでした。シーキングは初の西側の軍用ヘリの軍事支援になります。

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WS-61 Sea Kingとは

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WS-61 Sea Kingはアメリカの「シコルスキー S-61」をイギリスのウェストランド・エアクラフト社がライセンス生産したものでウェストランド・シーキングとも呼ばれています。1969年よりイギリス海軍で運用が始まり、その後、空軍でも配備が始まります。約350機が生産され、イギリスに加えて、ドイツ軍とインド軍など複数の国に採用されます。イギリス軍では約半世紀に渡って運用され、フォークランド紛争、湾岸戦争、ユーゴスラビア紛争、イラク戦争など数々の戦いに参加した後、2018年に最後のシーキングが退役します。つまり、ウクライナに送られたのは退役後にモスボールされた機体です。しかし、シーキングは退役後も訓練に使用され、500~600万ドルで売りに出されているため保存状態は良好です。製造は終了しているものの、各国では中古が活発に売買されており、まだ、多くの軍では現役で稼働しています。

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スペック

全長約22m、重量約6,201kg、乗組員は 2~4人、巡航速度は207km/h、航続距離は1,230kmです。3,600kgのペイロードは最大26人の乗客、または15人分のストレッチャーを輸送できます。

シーキングは主に対潜哨戒任務を主として設計されており、武装にはMark 44、Mark 46または Sting Rayといった魚雷を4発、または4発の爆雷を搭載できます。つまり、ウクライナ軍に不足したいた対潜能力を付与する兵器でもあります。ロシア黒海艦隊の艦船については対艦ミサイルや水上艇タイプの自爆ドローンによってある程度、抑えつけることに成功していますが、水中を航行する潜水艦については成す術がありません。ただ、シーキングには対潜任務のほか、救難機や兵員輸送機、早期警戒機と派生型がいくつか開発されており、どのタイプがウクライナに提供されたのかは不明です。また、対潜哨戒任務については飛行スキル以外も訓練が必要であり、6週間という短期間を考えると単純に物資輸送や負傷者の運搬を目的とした提供かもしれません。

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