ナワリヌイ氏だけではない、プーチン大統領によって抹消された反プーチン10人

ナワリヌイ氏だけではない、プーチン大統領によって抹消された反プーチン10人
Navalny Facebook

反プーチンの急先鋒だったナワリヌイ氏が16日、投獄されていたシベリアの刑務所で死亡した事をロシア当局が発表した。ナワリヌイ氏は刑務所内を散歩中に気分が悪くなり、意識を失い、そのまま死亡したと報じられている。しかし、その前日には支援者とテレビ電話で笑顔で話をする元気な様子が公開されていた。プーチン大統領を批判するナワリヌイ氏を巡っては過去、2020年にモスクワに向かう飛行機内で毒を盛られ昏睡状態に陥る「毒殺未遂」事件が起きており、政権から命が狙われていた。今年3月に実施される大統領選ではプーチン大統領以外の候補者への投票を獄中から呼びかけており、ナワリヌイ氏の死亡は再選へ向けて障害となる事を懸念し、プーチン大統領が排除、暗殺したと推察される。過去、プーチン大統領に批判的な人物はことごとく不審死を遂げており、彼らは皆、暗殺されたとされている。

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エフゲニー・プリゴジン

2023年8月23日

戦闘員不足のワグネルが囚人に説明した新たな条件や待遇、しかし、ロシア軍はワグネルを切り離したい

プーチンによって暗殺されたとされる人物として記憶に新しいのが民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏だ。プーチンの忠実な僕として仕え、ウクライナ侵攻が始まった時もワグネルを参加させる。更に自ら戦地に赴き、陣頭指揮も執り、刑務所にも赴き囚人兵をリクルートするなどして貢献した。しかし、その後、戦況が悪化、損害が増えると国防省批判に回り、2023年6月には部隊を率い、モスクワへと進軍する。モスクワ手前で矛を収めるもプーチンは反旗を振りかざしたと激怒。ベラルーシに亡命したとされたが、同年8月23日、ロシア国内で搭乗していたプライベートジェットが空中で爆発墜落し、死亡した。

ボリス・ネムツォフ

2015年2月27日

ネムツォフ死はソ連崩壊後の1990年代のロシアの政治家のホープだった。エリツィン政権では副首相を務め、後に野党の重鎮となった。反プーチン政権の急先鋒として、プーチン大統領を激しく批判し、民主主義、人権、透明性を主張した。2015年2月27日、レストランからの帰り道、クレムリン近くの橋で背中を銃で4発撃たれ、死亡した。

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セルゲイ・ユシェンコフ

2003年4月17日

ユシェンコフ氏は反プーチン政党「自由ロシア」の党首だった。彼はプーチンを大統領に押し上げる形となった1999年の「ロシア高層アパート連続爆破事件」が政府による自作自演として主張し、それを調査する急先鋒だった。当時、首相だったプーチンはこの事件をチェチェンの仕業と断定し、チェチェンに侵攻、制圧した事で国民の支持を得ていた。ユシェンコフ氏は2003年4月17日、自宅前で銃撃され死亡した。

アレクサンダー・リトビネンコ

2006年11月23日

リトビネンコ氏は元KGB職員で、プーチンと同僚だった。2000年、反プーチンの政治家ボリス・ベレゾフスキー殺害を計画したとしてロシア連邦保安庁(FSB)を非難し、英国に逃亡していた。彼は後に、ユシェンコフ氏同様、プーチンを大統領に押し上げた1999年の「ロシア高層アパート連続爆破事件」を政府による自作自演とする本を出版している。

リトビネンコ氏は2006年、ロンドンのホテルで致死性のポロニウム210が混入した紅茶を飲んだ後、3週間後に死亡した。イギリスの調査では、リトビネンコ氏はその前にFSB職員2名と会っていた。彼らはプーチン大統領の承認を得た命令に基づいて行動していたことが判明している。

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アンナ・ポリトコフスカヤ

2006年10月7日

彼女は人権侵害、汚職、チェチェン戦争について幅広く報道し、特にチェチェンでのロシアによる人権侵害を訴え、プーチン政権を批判。プーチンが自国をソ連時代のような警察国家に変えていると非難した。2006年10月7日、自宅アパートのエレベーター内で処刑式の形で殺害された。この事件に関しては実行者5人が逮捕されているが、報酬が支払われた請負殺人であり、依頼した首謀者は逮捕されていない。

スタニスラフ・マルケロフ

2009年1月19日

マルケロフ氏は人権派弁護士兼ジャーナリストでチェチェンでのロシア政府の人権侵害を批判。また、弁護士として他のジャーナリストの代理人なども務めた。2009年1月19日、クレムリン近くで覆面をした銃撃犯に射殺された。その際、一緒に歩いていた同僚ジャーナリストのアナスタシア・バブロワ氏も彼を助けようとして射殺された。

ダン・ラポポート

2022年8月14日

ラトビア系アメリカ人の投資家だが、ソ連生まれでロシアで様々な事業を展開していた。ナワリヌイ氏の支持者でプーチン大統領の批判者であったラポポート氏はSNSでロシア・ウクライナ戦争を公に非難、ウクライナへの支持を強調していた。2022年8月14日ワシントンD.C.のアパートの前で死亡しているのが発見された。2017年2月にはビジネスパートナーであるセルゲイ・トカチェンコ氏が自宅アパートで不審な転落死を遂げている。

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ラビル・マガノフ

2022年9月1日

ロシア最大の石油会社ルクオイル社の会長で、プーチンの盟友とされたマガノフ氏はロシアによるウクライナ侵攻を公然と批判していた。2022年5月には元幹部の男性が不審死、そして、同年9月1日、マガノフ氏が病院から転落して死亡した。会社は転落死ではなく、「重篤な病気によるもの」と否定している。同年10月24日にはウラジーミル・ネクラソフ会長が心不全で亡くなっている。

パベル・アントフ

2022年12月24日

ロシアの政治家、実業家であり、元ソ連軍兵士でもあった。アントフ氏はロシアによるウクライナ侵攻を当初から批判し、WhatsAppで戦争を批判するメッセージを投稿した。しかし、その後、身の危険を感じたのか6月に投稿を撤回している。2022年12月24日、インドに旅行中に自身の誕生日を祝った後、ホテルのベランダから転落し、死亡した。その前日には共にインドを訪れていた親友の実業家ウラジミール・ビデノフが室内で亡くなっているのが発見されている。

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