イギリスがウクライナに巡航ミサイル「ストーム・シャドウ」を提供!その性能は?使用に制約も

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イギリスはウクライナへの新たな軍事支援として射程250km以上を誇る長距離巡航ミサイル「Storm Shadow(ストーム・シャドウ)」の提供を発表しました。

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イギリスのベン・ウォレス国防相は11日木曜、ウクライナへの追加の軍事支援として巡航ミサイルの「ストーム・シャドウ」を複数提供したことを発表。ウォレス氏は「ウクライナにはロシアの侵略に対して自衛する権利があり、ストームシャドウの使用により、ウクライナは主権領域内に拠点を置くロシア軍を押し返すことが可能になる」と述べました。イギリスは以前から長距離攻撃可能なミサイルの提供を検討しており、対艦ミサイルの「ハープーン」と巡航ミサイルの「ストーム・シャドウ」、どちらを提供するかで揺れていましたが、ストーム・シャドウを選択しました。ロシアの黒海艦隊の動きが最近あまり無いこと、既にデンマークが地上発射型のハープーンを提供していたこともあり、ストーム・シャドウを選択したのかもしれません。航空機に搭載する空中発射型の同兵器はより広い作戦域で使用でき、HIMARSや国産ミサイルのネプチューンと他の長距離兵器を補完します。

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ストーム・シャドウの性能

ストーム・シャドウはフランスとイギリスによって開発され、多国籍企業で主にミサイル関連の兵器を開発するMBDAによって製造されている巡航ミサイルです。厳しい条件下でもミッションを達成できるように設計された空中発射型の長距離、ディープストライク兵器で、主に敵領内の奥にある指揮所、通信施設、空港、港湾施設といった高価値の固定された目標を攻撃するために開発されました。航空機に搭載され、空中から発射されると、最大速度マッハ0.8(1000km/h)、250km以上の距離を飛行します。発射されたミサイルはレーダーを回避するため下降し、INS、GPS、予め設定された標的情報、及び地形に合わせて半自律的に低空を飛行します。標的が近くなると上昇、搭載された高解像度の赤外線カメラによって最終目標を確認し、攻撃します。ミサイルは撃ちっぱなしの「ファイア & フォーゲット」で発射したら最後、遠隔操作、目標変更、起爆させることもできません。標的が見つからなかった場合は攻撃を止め、離れた場所で自爆します。2003年にイギリス空軍とフランス空軍で運用が開始され、イラク、リビアで使用された実績ある兵器です。

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ウクライナ空軍の機体で運用が可能なのか

MBDAによれば、ストーム・シャドーが搭載可能なのはトーネード攻撃機、戦闘機のミラージュ2000、ラファール、ユーロファイターの4機種です。ウクライナはこれらの西側の機体を持っている筈はなく、あるのはMig-29、Su-27、Su-25といったソ連製の機体のみです。もちろん、そのままでは規格が合わないので使用できません。提供するということは使用できる目途がついたのかもしれませんが、直ぐにでも使用できる状態なのか気になる所です。

ウクライナ領外には使えない

イギリスはウクライナにストーム・シャドウを提供する上で一つ条件を付けました。それがウクライナ領外の標的への使用禁止です。空中から発射可能な同兵器であれば、クリミア大橋、ロシア領内の奥深くの拠点を攻撃することが可能ですが、それに使用することはできません。あくまで、ウクライナ領内を侵略するロシア軍に対してのみです。クリミア半島が含まれるのかは不明です。ただ、ロシアの支配地域近くまで飛行すれば、ロシア軍の防空網に引っかかる可能性もあり、空中発射型と言えど、安全を考え、防空網範囲外のウクライナ深部からの攻撃になるかもしれません。

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