英陸軍特殊部隊はL85ライフルではなく、ARライフルを装備します

英陸軍特殊部隊はL85ライフルではなく、ARライフルを装備します
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イギリス国防省(MOD)が7月27日に公表したイギリス陸軍の入札要項によると、英陸軍特殊部隊はAR系ライフルの装備を計画しているようです。

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イギリスもAR系に?

MODは7月27日、イギリス陸軍特殊作戦旅団の「代替個別兵器(Alternative Individual Weapon:AIW)」の入札要件を発表。そこにはライフル調達要項として”Armalite Rifle (AR)”の調達とサポートが記載されており、これは特殊部隊が将来、アメリカのM4やドイツのHK416といったAR系列ライフルを装備することを意味します。

指定された口径はこれまでと同じ5.56x45mmNATO標準口径で、L15A2カートリッジが使用できるように最適化される必要があります。求める要件として動作方式はガス圧利用、ターンロックボルトでこれは現在のイギリス軍の主力小銃L85と同じです。その他、要件として前後に往復しないローディングレバー。操作周りはマガジンリリース・マガジンキャッチボタン、セレクター、セーフティを含む回転式セレクターです。これらの要件に左右両方からアクセスできるアンビシステムの言及は見られませんでした。その他、トリガーハウジングの前にマグウェルも要件として含まれます。

オペレーターが個々の運用要件を満たすように取り外し可能なライフルシステムを採用し、且つ、構成にかかわらず、すべての動作シナリオにわたって一貫して動作することが要求されます。ライフルと合わせて光学システムも求められており、使用する弾丸の性質とライフルの銃身(射程)にあったものが求められます。

入札事業者はも2021年12月から2022年3月までの間にトライアル用の武器をMODに提出する必要があります。調達数は3,000から10,000を予定しており、契約金額は50万ポンドから最大9千万ポンドを予定しています。

イギリス軍の主力小銃L85

イギリス軍の主力小銃L85
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イギリス軍の主力小銃と言えば、SA80ファミリーのうちの1つであるL85です。1980年代に採用されたこの小銃はイギリス軍を象徴するライフルでもあります。しかし、そのイメージは決して良くありません。L85は欠陥が多いというイメージが根強く、ジャム(排莢不良)が多い、各国の主力小銃より1kg以上も重い(フル装填時は約5kg)、引き金が固いなど、細かいのが上げれば枚挙にいとまがありません。もちろん、これをMODがほっておくはずは無く、改良版のL85A2、直近では2018年にL85A3を開発すなど改善は進んでおり、今後も引き続き主力小銃として使い続けられる予定です。

しかし、改修できない根本的な欠陥があります。それが発射機構を後方に置くブルパップ方式を採用している点です。これにより、全長が735mmと短くなっていますが、前述の重量過多により、それほど取り回しもよくない上に、排莢が顔に近い、反動をもろに体に受け連射時に狙いがぶれるなどの欠点がありました。そのせいか、AIWの要件にはわざわざ”ブルパップではない標準構成”と明示されており、ブルパップ式の銃を最初から除外しています。

特殊部隊では以前からL119と命名されたコルト・カナダC8、SIGMCXといったARスタイルのライフルを既に装備しています。特殊作戦など失敗が許されない任務において、より信用できる銃を特殊部隊は既に選択していました。今回の入札は2021年から2022年にかけて特殊作戦旅団内に新しく創設される「レンジャー連隊」向けの装備だと思われます。

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Source
https://www.sell2wales.gov.wales/search/show/search_view.aspx?ID=JUL367838

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