ドイツ連邦軍は兵士の精神的な健康管理のため、100年ぶりとなるユダヤ教の牧師の誕生させる。ドイツのザクセン州のラビ(ユダヤの宗教指導者)である、ゾルト・バラ氏は、ドイツ軍のユダヤ人牧師になる予定だ。
ドイツのユダヤ人中央評議会の声明によると、バラ氏の任命により、約100年ぶりにドイツ軍にユダヤ人軍事教誨が復活することになる。
第一次世界大戦時にはラビが居た
第一次世界大戦時のドイツ帝国軍(1871-1918年)には約10万人のユダヤ人兵士がいたとされ、ラビが軍に仕えていた。それは敗戦後のヴァイマル共和国(1918-1933年)時代まで続いていたが、ナチス・ドイツが誕生し、反ユダヤ主義を掲げるヒトラーが台頭するとラビの軍務は廃止されることになる。その後のユダヤ人迫害はご承知かと思う。戦後から75年経った2020年5月にドイツ連邦議会はラビが軍務に就くことを復活させていた。ドイツ軍内では近年、極右過激思想が広がっており、反ユダヤ思想、ナチズムへの回帰が広がっている。陸軍の特殊部隊KSKがナチスの儀式を行うなどして2020年に一部隊が解散させらなど深刻な問題になっている。ラビの復活はこれらに対抗する措置の一つになる
ハンガリー生まれのバラ氏(42) は、故郷のブダペストで工学を学び、2002年にドイツに移り住み、2009年にラビになった。バラ氏の就任式は今年6月21日にライプツィヒのシナゴーグで行われる予定だ。
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https://www.mdr.de/religion/juedisches-leben/zsolt-balla-erster-militaerrabbiner-juedische-seelsorge-bundeswehr100.html
https://www.cnn.co.jp/world/35154580.html