蜂に毛虫、戦争に昆虫兵器を使った事例

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蜂に毛虫、戦争に昆虫兵器を使った事例

虫を兵器に活用しという研究は昔から行われており、今では虫にカメラやマイクを付けて偵察に使ったり、虫を操って大群で敵に攻撃する。虫を媒体として病気を流行らせる、いわゆる生物兵器的な使い方なが研究されているといわれている。実際、戦争において虫を使用するといった事例は紀元前からあったといわれており、その事例をいくつか紹介する。

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蜂

蜂はご存じのように強力な毒針を持ち、アナフィラキシーショックを起こすと死に至ることもある。特にスズメバチは凶暴で攻撃性も高く、執拗に人間を襲う事もある。その特性を利用して古来から、敵陣に蜂の巣を投げて混乱されるという手法は行われていた。近年ではイタリア・エチオピア間で起きた1935年の第二次エチオピア戦争で蜂が使われている。戦車など武力で勝るイタリアに対しエチオピアのパルチザンは対戦車兵器も無く、真っ向では太刀打ちできなかった。そこで彼らが取った行動は戦車の車内に蜂の巣を入れる事だった。蜂から逃れるために乗員は車外にでるしかなく、出てきたところを狙い撃ちした。蜂の巣を投げつけるだけでも当時の戦車には至る所に蜂が入る隙間が十分あった。

毛虫(蛾)

毛虫 蛾

毛虫は触ると痒くなるといわれるが、人間に対する直接的な害は少ない。毛虫が使われたのは「麻薬戦争」になり、対象となったのは麻薬の原料だ。大麻草やコカインの原料となるコカやケシの葉っぱは毛虫の大好物になる。毛虫を撒くことで畑に大損害を与えるのだ。実際には毛虫を散布するのではなく蛾を散布する。蛾はそこで卵を産み、孵化すると大量の毛虫が発生し、それがコカ畑を食い尽くし、麻薬カルテルは大打撃を受けるという算段だ。90年代から実行されている手法になる。

サソリ

サソリ

後ろに猛毒の毒針を持つ節足動物。昔から毒矢に塗る毒矢として使われていた。紀元前247年頃から今のイランで栄えたパルティア王国はローマ帝国から要塞都市ハトラを護るためにサソリを使った。ローマ帝国の進撃をしったパルティアは周辺の砂漠をからサソリを集め、袋に詰めて城壁に配置した。ハトラはローマ兵に包囲され攻撃を受けたがローマ兵たちが城壁を登ろうとすると袋が破け、サソリが襲ってきて城壁を登ることができなかった。サソリの影響もあってかローマ帝国はハトラを占領できずに撤退する。

ノミ

ノミ

犬や猫に寄生して吸血するノミだが人間にも寄生する。第二次大戦中の旧日本軍の研究機関「731部隊」はノミを媒介手段としてベストやチフスといった病原菌を散布する研究をしていた。元研究員の論文によると1940年6月4日に農安(吉林省)でノミ5グラムを空中から散布し、600人にペスト感染させた。6度のノミの散布で、2.6万人をペストに感染させている。

蚊

世界で一番人を殺している動植物は何だか分かりますか?鮫でワニでも毒蛇でもない、「蚊」だ。2018年だけで75万人が蚊によって亡くなっている。蚊が恐ろしいのは血を吸うのと合わせてチフスやマラリアといった病原菌に感染させることだ。ナチスドイツは蚊の媒介力に目を付けて兵器として「マラリア蚊」の研究していた。しかし、蚊から自軍の兵士を守る手段が無かったのと、ヒトラーが生物兵器の使用を禁止していたため実際に使われることは無かった。

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