米中間の緊張が高まる中、中国人民解放軍は中国版SNSの微博（ウェイボ）の人民解放軍空軍の公式チャンネルに同軍の戦略爆撃機H-6Kが米領グアムのアンダーセン空軍基地を標的にしたとみられる爆撃のシミュレーションを行う動画を公開した。
台湾訪問に対する怒りの動画
ロイター通信によると中国軍は米国務省の高官キース・クラーク経済担当次官が台湾訪問したことに対する抗議の意を込めて18日、19日に台湾海峡の中間線を越え、台湾側に侵入するなど威圧的な軍事演習を繰り返した。動画は19日に公開されており、一連の抗議行動の一環と見られている。
グアムのアンダーソン空軍基地は西太平洋地域で唯一、アメリカ空軍の戦略爆撃機が展開可能な基地で、南シナ海進出に進出する中国をけん制する上での重要拠点。中国はこの空軍基地に対して攻撃能力をあることを暗に示し、米国に警告しているとされている。
動画ではH-6K戦略爆撃機が砂漠の基地から離陸、サイドにある字幕「我的名字叫戰神」は”私の名前は戦争の神”という意味をあらわしている。動画の中盤では搭乗員がボタンを押して巡航ミサイルが滑走路に向かって発射、爆発、煙が上がっている。H-6Kは核弾頭付きの弾道ミサイルも搭載できる。
本当にアンダーソン空軍基地が確認してみた
一見、これが米軍のグアム基地を対象にしているのか分かりづらいがと思う。しかし、この動画は確実にアンダーソン空軍基地を標的にしている。理由は動画1分8秒頃に表示される滑走路の映像だ。
上が動画で映し出された滑走路の写真だ。そして下の画像を見て欲しい。
この写真はGoogleマップで撮られたアンダーソン空軍基地の衛星写真だ。見比べて分かるように駐機場の位置や形は全く同じだ。おそらく、動画に使われている画像はGoogleマップから取ってきたのではなかろうか。爆発で振動する場面もネット界隈では映画『ハート・ロッカー』からきているという声もある。
中国国防省と米インド太平洋軍司令部はこの動画に対してまだコメントはだしていない。
