中国の最新鋭第5世代ステルス戦闘機であるJ-20。量産が始まっていることは知られていましたが、どれだけの数がこれまで生産され、中国人民解放空軍に納入されているのかは不明でした。しかし、現在、中国で開催されている航空ショー珠海航展(中国国際航空宇宙博覧会)に登場した実機のシリアル番号から、その生産数が明らかになりました。
珠海航展上的J-20首次4架编队🇨🇳👍 pic.twitter.com/B98xKxy591
— 西晏 (@xiyan99) November 10, 2022
Defence Newsの報道によると軍事航空専門家で中国の軍事事情に詳しいオーストラリアのアンドレアス・ルプレヒト氏が珠海航展に登場したJ-20の機体に記されたシリアルナンバー(生産番号)からJ-20の生産数を推察しました。
同氏は航空ショーに登場した2機のJ-20のキャノピーの後ろに「CB0369」と「CB0370」と書かれていることを指摘。「CB03」は生産された戦闘機のバッチを意味し、つまり「CB00」が最初のバッチで「CB03」は4番目のバッチを意味します。そして、最後の「69」「70」 の2桁は、そのバッチの戦闘機のシリアル番号を表します。つまり「CB0369」と「CB0370」は、J-20の第4バッチ生産の69機目と70番機目を意味。少なくとも70機が生産されたことを意味します。最初のバッジ「CB00」は少なくとも18、2つ目のバッジの「CB01」は46、「CB02 」は56のシリアルナンバーが確認されており、CB00~CB03までのこれらの数字を足すと190、それに量産前の低レート生産18を足すと208になり、少なくとも208機のJ-20を中国人民解放軍は保有していることになります。これは米空軍の第5世代戦闘機F-22を上回る数です。
J-20は2011年に初飛行、2016年に初公開され、2017年に就役、2018年末から量産が始まったとされます。つまり、約4年で200機を生産したことになり、バッジのナンバーからも生産ペースが上がっているのが分かり、中国の航空機産業の進歩が見れます。これに対し、ロシアの第5世代戦闘機Su-57は量産開始から3年で生産数は僅か6機です。
mod russiaロシア航空宇宙軍は5月末に6機目のSu-57戦闘機の量産モデルを受領したことが分かりました。Su-57はロシアの誇る最新戦闘機で第5世代のステルス戦闘機はウクライナ侵攻にも参加しています。コムソモリスク[…]
現在、新しいターボエンジンWS-15を開発中ですが、CB03でも引き続きWS-10Cエンジンが使用されています。新しいエンジンは改良型のJ-20Bに搭載される予定です。
J-16の生産数も明らかに
J-16 arriving for Zhuhai 2022 airshow #PLAAF #珠海 航展 2022 #解放军 空军 pic.twitter.com/rhGe4j9vlP
— China Made 中国制造 (@Anthony01375841) October 31, 2022
また、航空ショーにはシリアル番号「1105」のJ-16戦闘爆撃機も登場。これも同じくシリアル番号から生産数が推測されており、11番目のバッチの5機目、各バッジ24機が製造されており、少なくとも245機が製造されたことが読み取れます。J-16は2015年に就役した戦闘爆撃でロシアのSu-30をベースにした複座型の機体です。
中国は驚異的なペースで軍用機の数を増やしています。
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