中国メディアの報道によれば中国人民解放軍海軍の空母「山東」は最近、一連の演習で大きな進歩を遂げた。中国の専門家らは、この成果により、近いうちに同空母が「第1列島線」 を越えて2回目の大規模な長距離航海演習に着手する可能性があると予測している。
環球時報の30日の報道によると、山東の統合戦闘能力を徹底的にテストするために、真夏の条件下で非公開の海域で戦闘訓練を実施した。人民解放軍海軍はその訓練についてプレスリリースを発信。厳しい戦闘要件下で行われた訓練では山東はその機体に応え、航空機の出撃、難易度の高い訓練、強度な任務において顕著な進歩を達成したことを強調した。訓練には山東の他、数隻の軍艦が空母打撃群の一員として山東を支援したことが明らかになっている。艦隊には中国海軍の最新鋭駆逐艦である055型ミサイル駆逐艦1隻、052D型駆逐艦2隻、054A型フリゲート艦2隻、901型総合補給艦1隻が含まれていた。
訓練中、山東の艦載機として登場したのはJ-15艦上戦闘機にZ-8、Z-18の両汎用ヘリコプター。演習中、それぞれ3機のJ-15からなる3個飛行隊が空母上空を飛行した。さらに、J-15は夜間の離着陸訓練も実施している。
山東は今年4月6日に2019年12月に就役してから初めての遠洋演習を西太平洋で行っている。防衛省の発表によれば7日から25日まで行われた18日間連続の訓練で計約620回の艦載機の発着艦が確認された。これは中国初の空母「遼寧」が15日間で行った320回を大きく上回る記録で、中国空母の運用能力の向上が垣間見える。今回、新たなマイルトーンを達成したと言っていることから、更なる運用能力向上が推測される。1番艦の空母「遼寧」も年に2回の遠洋演習を行っており、中国の専門家は山東が近々、二度目の太平洋上での訓練を行うと予測している。4月の訓練では山東はグアムの西600~700kmの海域まで進出していた。
山東とは
山東は2019年12月に就役した中国初の国産空母。ウクライナから購入したソ連製の空母を回収した中国初の空母「遼寧」をベースに設計建造された。全長308m、満載排水量70,000t、4 つの蒸気タービン、 4 つのプロペラ シャフトを駆動する通常動力艦で3つのエレベーター、飛行甲板はスキージャンプ方式を採用。船体の設計思想は新しくないが、フェーズドアレイレーダーなど最新の電子機器を搭載している。艦載機は第4世代戦闘機のJ-15戦闘機、Z-8、Z-9、Z-18 ヘリコプター、KJ-600 早期警戒管制 (AEW&C) 航空機を含む最大 44 機の航空機を搭載することができる。
Source
China’s aircraft carrier Shandong makes new breakthroughs in latest drills – Global Times