アメリカ国防省が発表した中国人民解放軍の軍事力に関する年次軍事報告書によると、2025年までに中国人民解放軍海軍の艦艇数は現在の340隻から400隻に増加すると予測しています。
艦艇数はアメリカを超えている
米国防総省が火曜日に発表した報告書は、2025年までに中国海軍艦隊の艦艇数が340隻から400隻に増加、2030年までに425隻になると報告しています。中国は近年、近代的な艦艇の建造を驚異的なスピードで進めています。戦闘能力、作戦範囲が限られる古い艦艇を最新の船に置き換えており、それは空母、揚陸艦、駆逐艦、潜水艦など全ての艦種で行われています。新造艦には最新のセンサー、兵器を搭載。対艦、対空、対潜、対地と様々なプラットフォームで構築されています。中国海軍の作戦能力はより柔軟に、そして、機動力、展開能力は向上し、その影響力を太平洋、インド洋に広げています。
中国軍の軍事力は米国、ロシアに次ぐ3位ですが、現在のロシアの状況を考えれば、おそらく既に世界2位の規模であり、海軍力においてはとっくにロシア海軍を超えています。更に艦艇数においては既にアメリカ海軍を上回っており、中国海軍は2020年時点で355隻の艦艇を保有、それに対し、2021年のアメリカ海軍の艦艇数は297隻、海軍力世界4位の日本(海上自衛隊)は137隻です。中国海軍は昨年、古いフリゲート艦20隻を日本の海上保安庁にあたる中国海警局に引き渡したため、艦艇数は340隻に減少しえています。つまり、尖閣諸島に度々侵入してくる海警局の船に今後、フリゲート艦が登場する可能性があります。先日11月25日には通常、軍艦に搭載される76mm砲を搭載した海警局の船が尖閣の領海に侵入しています。
写真 新華社6月17日、中国海軍の3隻目の航空母艦となる003型「福建」(CV-18)が2度の遅れ、当初の予定から1年遅れで、上海にある中国造船株式会社の江南造船所で進水、命名式が行われました。福建はアメリカ海軍のニミッツ級、ジェ[…]
今年6月には遼寧、山東に続く3隻目の空母となる「福建」を進水。遼寧、山東はソ連のヴァリャーグをベースにした古い設計ですが、福建はアメリカのニミッツ級やジェラルド・R・フォード級に似た近代的な設計になっています。電磁カタパルトが搭載されているとされ、であれば早期警戒機の搭載も可能になり、さらに艦載機型の第5世代ステルス戦闘機「J-31」の開発も進めれており、空母打撃群の能力は大幅に向上します。報告書では福建は2024年までに就役すると予測しています。
その空母の脇を固める駆逐艦の量産スピードもすさまじく、最新の055型ミサイル駆逐艦は最新のアクティブ電子走査アレイ(AESA)、計112発のVLS(垂直発射システム)式の対空・対艦・巡航・対潜とあらゆるミサイルを搭載、その性能は米海軍の駆逐艦を凌ぐと言われています。これを今年の半年の内に5隻を就役させたと言われており、2020年に2隻しかなかった055型は今や10隻を超えています。この他、055型の前級の昆明級052D型の建造も急ピッチで進めされており、2020年には15隻だったのが、翌年には倍の30隻以上に増えています。052D型は055型と同じAESA、64発のミサイルを搭載しています。中国海軍は2049年までには世界最強のアメリカ海軍と同等、若しくは超えるのではという予測されています。
Photo by weibo中国のSNSサイト”微博”に2021年の中国人民解放海軍の艦船一覧の画像が投稿された。この画像から中国海軍の2021年の戦力を読み解くことができる。空母山東まず、注視すべきは航空[…]
報告書では中国海軍が今後数年以内に沖縄、台湾などを超えた第1列島線を超えて空母打撃群を展開することにコミットしていると結論付けています。
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