アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)が進める、大型で長距離飛行が可能な水上飛行艇・地面効果翼機(WIG)の開発計画「Liberty Lifter Program(リバティ・リフター計画)」の実証機の設計にAurora Flight Sciences(オーロラ・フライト・サイエンス)と General Atomics(ジェネラル・アトミクス)の2社のチームが作業にあたることが決まった。
リバティ・リフターは2022年5月に始まった計画で滑走路に依存せずに水上で離発着を可能な大型で長距離飛行可能な双胴機タイプの輸送用水上飛行艇・地面効果翼機(WIG)を開発する計画になる。実現すれば、滑走路や港湾施設のない離島に既存の海上輸送をはるかに超えるスピードで物資を届けることができる。DARPAが求める要件は、現在の米空軍の大型輸送機であるC-17 グローブマスターIIIと同様のサイズと輸送力を求めており、全長は53m、最大積載量は少なくとも70tから最大100tで2両の水陸両用車または全長6mの6個のコンテナユニットを搭載。水上飛行艇の能力としては風速11~16ノット、波高1~1.5mの海面レベル4の状態で離着陸できること、そして、その次のレベル5までも求めてる。飛行高度は最大3000m、そして、肝となるのが低高度での飛行で、レーダーから探知されにくい30m以下、海面から数mを飛行することを求めている。これはつまり、海面スレスレを飛行する地面効果翼機(WIG)を意味する。
オーロラ社のデザインコンセプト
オーロラ・フライト・サイエンス社とジェネラル・アトミクス社共に、既にデザインコンセプトを公表しており、オーロラ社は8 つのターボプロップエンジンを搭載した従来の飛行艇を思わせる正統派なデザイン。
ジェネラル・アトミクス社のデザインコンセプト
それに対し、ジェネラル社は空中双胴船、または双胴機の設計になっており、12個のターボシャフトエンジンを搭載。機首のノーズが開いて貨物の出し入れする設計になっている。このデザインは昨年DARPAが公開したイメージに沿ったデザインになっている。
プロジェクトは最初に6カ月の基本設計、その後、オプション契約が行使されれば12カ月かけて製造に向けて設計を成熟させ、その後3か月のテストレビューが含まれる。コストは固定800万から最大2900万ドルを見込んでいる。
image DARPAアメリカの国防高等研究計画局(DARPA)は大型で長距離飛行が可能な水上飛行艇・地面効果翼機(WIG)を開発するLiberty Lifter Program(リバティリフター計画)を開始したことを発表しました[…]
Source
Aurora Flight Sciences To Design Revolutionary Seaplane for DARPA Liberty Lifter Program