ロボット犬を武装化しないでください!メーカーは兵器化しないことを宣言

ロボット犬を武装化しないでください!メーカーは兵器化しないことを宣言

ボストン・ダイナミクスといったロボットの開発を行う6社のメーカーが、自分たちの目的と異なる使い方をされることによってロボットが人々から信頼を失うこと懸念し、各国の軍に対し、ロボットを武装しないように求める書簡を発表しました。

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各国の軍で採用が進む4足歩行のロボット犬。歩哨犬と同じ警備用として、または斥候といった偵察用、荷物の運搬など非殺傷用途として軍用犬や兵士に代わり任務を担うことを期待されていますが、最近の傾向として兵器展示会で見られるのが背中にライフルを搭載した武装化されたロボット犬、つまり、殺傷兵器として兵器化されたロボットです。米中ロといった世界の軍事力トップ3の国のメーカーはこぞって武装化したロボット犬を発表しています。

これに懸念を示したのが、ロボット犬といった4足歩行ロボットや人型の二足歩行をロボットを開発するロボットメーカーです。その代表格であるボストン・ダイナミクス、そして、Agility Robotics、ANYbotics、Clearpath Robotics、Open Robotics、Unitree Roboticsを合わせた6社は2022年10月6日、「汎用ロボットは兵器化するべきではない」という公開書簡を連名で公開しました。

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彼らはロボットが以前よりも身近にアクセスしやすくなったことで新しい同僚、そして家族として社会に新たな利益をもたらすと考えています。しかし、それが誤った使い方をされることを恐れており、ロボットが他人を脅したり、傷つけたり、人権を侵害するような行為を行うことです。その上で最も懸念しているのが兵器化です。遠隔操作、そして自律行動可能なロボットに兵器を搭載すれば、新たなリスク、論理的な問題、人々に多大な損害を与えかねず、結果、人々はロボットに不信感を抱き、信頼を失いかねないことを危惧しています。そこで、彼らは自分たちの高度汎用モバイルロボットや、開発した高度なロボット工学を可能にするソフトウェアを兵器化しないことを誓約し、他者の兵器化を支援しないことを宣言しました。兵器化に繋がるようなアプリケーションの開発も今後、慎重に議論されます。そして、彼らは他のロボットメーカー、技術者にも、これに賛同するよう求めています。

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Ghost Roboticsの狙撃銃を積んだロボット犬「SPUR」

この宣言にどれだけ効果があるかは不透明です。例えば米空軍が採用するロボット犬「VISION60」を開発製造するGhost Robotics社は連名に名を連ねていません。同社は昨年、狙撃銃を搭載したロボット犬「SPUR」を発表しています。

中国にも「Xiaomi」や「Unitree Robotics」をはじめ複数のロボット犬メーカーがあり、兵器メーカーの「中国兵器装備集団公司」もロボット犬を開発するなど、ロボット犬の開発がもっとも盛んな地域ですが合わせて兵器化も活発に進められています。

今回の6社の宣言はロボットの兵器化を止めることには残念ながらつながらないかもしれません。

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Source

https://www.bostondynamics.com/open-letter-opposing-weaponization-general-purpose-robots

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