第二次世界大戦時、各国はなぜ?ボルトアクションライフルを使い続けた

第二次世界大戦時、各国の主力小銃は主に日本軍が三八式・九九式小銃、ドイツ軍がKar98k、イギリス軍はリー・エンフィールド、ロシア軍はモシン・ナガンを使用していましたが、これらの小銃に共通しているのが、一発ずつ手動で装填するボルトアクション式であったことです。それに対し、アメリカ軍は1936年には歩兵の主力小銃としては初の半自動小銃「M1ガーランド」を配備しています。

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ボルトアクションライフルは分間15発前後の発射速度に対し、セミオートのM1ガーランドの発射速度は約3倍の40~50発/分。この圧倒的火力がアメリカの勝因の一つであり、日本軍の「バンザイ突撃」が全く歯が立たなかった理由と言われています。各国の開発が遅れていたのかというと、第一次世界大戦の時には既にフル・セミオートの小銃は既に開発され、ロシア帝国のフェドロフM1916自動小銃、1920年代にはチェコのZH-29半自動小銃やアメリカのピダーセン自動小銃が登場するなど技術的には確立されていました。しかし、各国は発射速度が遅いボルトアクショを使い続けたのはなぜなのでしょうか?

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不具合が多かった

当時のボルトアクションライフルが他の銃より優れているのは射程と命中精度です。さらに設計がシンプルでパーツも少ないため、製造が簡単で故障も少なく、メンテナンスも効率化されます。さらに弾薬消費も少ないので兵站の面でもコストやすな武器です。その点、セミオートライフルは機関部が複雑化し、製造・メンテナンスコストは増加。不具合も多く信頼性は低かった。日本でも1930年代に試製自動小銃甲・乙の開発が始まり、ソ連も1936年にシモノフM1936半自動小銃、ドイツは1941年にGew41を開発していますが、不具合が多く信頼性が低いとして大量生産するまでには至りませんでした。

セミオートを製造配備できる工業力を持っていたのアメリカだけ

また、量産配備したとしても、弾薬消費が飛躍的に増えるため、弾薬を供給し続けるロジスティック、工業力がないと配備できません。ライフルと弾薬双方の製造、輸送、補給できるロジスティックを持つのは当時、アメリカしかありませんでした。世界最大の工業国であったアメリカは最初こそボルトアクションのスプリングフィールドM1903小銃も使用していましたが、第二次大戦中だけで約540万挺のM1ガーランドを生産し、全兵士に配備。第二次大戦は物量戦であり、この圧倒的火力がアメリカと連合国を勝利に導きました。

G&G 電動ガン TGM M1G ETU WNB M1 Garand ETU M1ガーランド

ドイツはAK-47のベースとなった世界最初の全自動小銃「Stg44」を1944年末に量産を開始、日本も大戦末期に四式自動小銃を完成させるも時すでに遅しで、戦局は悪く、物資が不足し、大量生産はできず、戦局を変えるにはいたりませんでした。

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