ブルガリア議会は3日木曜、武器支援はしないという方針を覆し、ウクライナへの武器供給も含めた軍事支援を承認した。
旧共産圏であるブルガリアの装備は基本ソ連式でウクライナ軍も使用するT-72主力戦車やMig-29戦闘機などソ連製装備多数抱えている。しかし、ブルガリア国民の30%が今回のウクライナ侵攻を支持するなど親ロシア派が多い事情もあって、NATOの一員でありながら、支援は戦車の修理や防護装備の提供に限られ、ハンガリーなどと並んで武器の供給といって直接的な軍事支援を行っていなかった。
今回の承認を受けて1か月間かけて、これらソ連時代の兵器をどれだけ提供できるか精査される。ブルガリアはウクライナが現在最も欲する10基の長距離防空ミサイルS-300を保有しているが、ディミタル・ストヤノフ国防相は今週初め、それらを手放す余裕はないと述べている。しかし、これ以外にもSA-8ゲッコーやSA-6ゲインフル、SA-18グロースといった短距離防空ミサイルを保有しており、これらは提供されるかもしれない。また、米国からF-16戦闘機を購入することも決定しており、米国からMig-29を提供するよう圧力を受けるかもしれない。実際、ブルガリア政府に対する不信感からF-16の納入は遅れている。
戦争で恩恵を得ていたブルガリア
ブルガリアは直接的な軍事支援は行っていないが実は間接的にはウクライナを支援していた。旧共産圏のブルガリアはソ連兵器規格の弾薬の主要な製造国でソ連製・ロシア製兵器を使用する中東やアジアの主要国に弾薬を輸出している。此度のロシア・ウクライナ戦争においてウクライナ軍の主要兵器に必要なソ連規格の弾薬をNATOの主要国は製造する能力を持っていないため、ブルガリアから弾薬を購入してウクライナに送っていた。ブルガリアは今回の戦争に関連して兵器工場の生産量は3倍に増えており、少なくとも10億ユーロを売上、それは20億ユーロに達するとされている。ブルガリアの防衛産業は戦争特需で成長率200%に終わる可能性があるとされている。そして、ブルガリアの防衛企業の多くは国営であり、国家財政をかなり潤すことになる。このような背景もあって、今回のウクライナの支援に至った可能性もある。
Source
https://www.euractiv.com/section/all/short_news/bulgaria-to-start-sending-military-aid-to-ukraine/