アメリカ海兵隊に所属するF-35B戦闘機が今月12日、夜間の近接航空支援訓練中に下腹部の25mm機関砲を発射した際に、その砲弾で自身の機体を損傷させる事故を起こしていた事が分かった。海軍安全センターはこの事故を最高クラスの「クラスA」という重大事故に分類し、調査している。
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最高クラスの事故
事故を起こしたのはユマ海兵隊航空基地をベースとする海兵隊第3海兵航空団所属のF-35Bと推測されている。夜間の近接航空支援訓練中に下腹部のガンポッドから25mm機関砲弾を発射したところ、弾丸がチャンバーから排出された直後に爆発。機体下部に深刻な損傷を与えた。幸いにもパイロットは負傷せず、飛行可能な損傷であったため、自力で基地まで帰還した。
負傷者はいなかったが、海軍安全センターはこの事件を「クラスA」の事故として分類した。クラスAは最も深刻な事故を表すクラスで、航空事故の場合、少なくとも250万ドル以上の物的損害、または1人以上の死亡、一生残る障害を与える事故に定義される。
なぜ、爆発した?
F-35のガンポッドは25mmガトリングガンの「GAU-22/A」が装備されている。F-35Aは内蔵式だが、F-35BとF-35Cは取り付け型のGPU-9/Aガンポッドを装備している。弾薬は徹甲弾で爆発性の高い焼夷弾も含んだPGU-32 / BSAPHEI-Tが使われている。弾丸には遅延信管が採用されており、ターゲットに命中すると、焼夷弾を爆発させる。爆発で少量のジルコニウムが拡散、この化合物は空気に触れるとすぐに燃焼し始め、高温で、さらなる損傷を引き起こす。この弾丸が何らかの理由で発射後直ぐに爆発を起こしてF-35Bの機体に損傷を与えた。その理由は調査中で、まだ明らかにされていないが、弾丸の不良と考えられている。
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