エジプト?イラン?アルジェリア?引き取りてが決まらないロシアのSu-35

イランとロシア、Su-35、Mi-28、Yak-130の購入で最終合意!しかし、過去には
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アルジェリアの複数の情報筋は、アルジェリア空軍がロシアのSu-35戦闘機を受け取ると述べた。実現すれば、ロシア、中国に次ぐ三番目の運用国となる。しかし、このSu-35はイランが取得するとされていた機体で、Su-35は迷走している。

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「BulgarianMilitary.com」はアルジェリア情報源からの報告という形で、アルジェリア空軍が当初計画されていたロシアの第5世代ステルス戦闘機のSu-57ではなく、第4.5世代のSu-35戦闘機を受け取る準備を進めていると報道した。北アフリカのアルジェリアはインドに次ぐ、ロシア製兵器の輸入国。アフリカ唯一のT-90戦車採用国で、国内でのライセンス生産を含め572両保有。これはインドに次ぐ数だ。他の兵器もソ連/ロシア製が多くが、ロシアによるウクライナ侵攻後も、ロシアを支援する立場を示すなどロシアの友好国だ。しかし、このアルジェリアのSu-35取得報道、実際に実現できるかは怪しい。なぜならこのSu-35はその行くつく先がこれまで何度も覆り、迷走しているからだ。

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もともとはエジプトが発注した機体

アルジェリアが取得するとされているSu-35はもともとエジプトが取得する筈だった機体だ。エジプトは古くなっていたアメリカ製のF-16A/Bの後継の機体を探しており、Su-35を選択、2019年3月に総額20億ドルで24機を発注した。しかし、これを良しと思わないアメリカが圧力をかけた。エジプトはアメリカとの関係を考え、結果、Su-35を全てキャンセルした。この時、いくつかのSu-35は完成していたと言われている。

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イランが取得する予定だった

行き場を失ったSu-35だが、新たな引き取り手として現れたのがイランだった。イランは2023年1月、ロシアから24機のSu-35を受け取ると発表。2023年4月頃までに納入されると述べた。イランはウクライナ侵攻するロシアを当初から軍事面で支えており、自爆ドローンやロケット弾などを供給していると言われており、Su-35はその対価と報じられた。イランは西側による経済制裁以降、先進的な戦闘機を手に入れられずにいた為、Su-35は待望の戦闘機だった。しかし、同年7月にイラン当局は「Su-35と同等の能力を持つ高性能戦闘機を国内で生産する能力がある」と答え、計画変更の可能性と、暗にSu-35購入が決裂したことを示した。しかし、その後もイランのSu-35の取得については情報が錯そう。昨年10月にイスラエルがパレスチナ・ガザに侵攻すると中東情勢は急展開し、紛争は周辺国にも飛び火、イスラエルとイランとの間でも衝突が起きると、今年4月にはカタールメディアがイランがSu-35の受け入れ準備などと報じた。しかし、イラン当局はこの報道を直ぐに否定した。実際、今のところSu-35がイランに輸出されたという確認はとれていない。アメリカやイスラエルが常に監視しており、飛行場にSu-35があれば衛星で直ぐに分かるので納入は未だされていないのは確かだろう。イランは航空資産より、防空システムの購入開発に予算を多く割り当てているとされ、Su-35の購入は決裂したとの報道もある。イランはSu-35のスペアパーツなどを国内で生産、国内で整備できるノウハウを得るための技術移転をロシアに求めたが、それをロシアが拒否したとの報道もあり、それが原因とも言われている。

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アルジェリアはSu-57を取得する予定だった

アルジェリアは当初、第5世代ステルス戦闘機のSu-57を購入する計画で、Su-35を購入する予定は無かったと言われている。しかし、最新機器の集まりであるSu-57の量産は全く進んでおらず、量産が始まったとされる2019年からこれまで生産された機体は10機ほどしかなく、まだ海外輸出できるような状況ではなく、ロシアが戦争中の今、納入が何年先になるかの見通しが立たない。またアルジェリアにとってはSu-35の方が都合が良いというのもある。アルジェリア空軍は70機ほどのSu-30MKAを保有。Su-30、Su-35両方ともSu-27フランカーの系譜を継ぐ機体であり、兵器も共通。整備士やパイロットの訓練は最小限で済み、現場への影響は少ないので受け入れコストが低い。12機以上が直ぐにも納入できる状態にあると言われているが、ただ、アルジェリアのSu-30もまだ比較的新しく、Su-35を今すぐ取得する必要性は今のアルジェリアにはない。

ロシアはSu-35を積極的に海外に売り込んでいた。アラブ首長国連邦、インドネシア、そして、エジプトが購入すると一時期報じられたが、この三か国は結局購入に至らず、実現したのは中国のみだ。中国は24機のSu-35を購入したが、最新機なのに稼働中なのは僅か9機のみとされている。中国はSu-35を戦力として購入したのではなく、機体の多くはリバースエンジニアリング、研究目的とされている。Su-35は今の所、全くセールスに成功していない。

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Su-35

Su-35はロシアのスホーイ社によって開発、2014年に就役した第4世代戦闘機。航続距離が長く、最新のアビオニクスを搭載。迎撃、偵察、爆撃など複数の任務をこなせるマルチロール機で第4世代戦闘機としてはロシアの最新鋭機で、ロシアはSu-35を「第4世代++」または「4.5世代」と記載、機体性能はアメリカのF-15E、F-16C、およびF/A-18Eよりも優れていると主張している。レーダーは400km先のターゲットを検出し、最大30個のターゲットを同時に追跡。給油なしで3,500kmを飛行できる。AWACSや空中給油機などのHVAA (高価値航空資産) を標的にできる超長距離空対空ミサイルR-37Mを搭載する。価格は5000万ドルと言われている。

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