イスラエルの軍用エレクトロニクス企業Elbit Systems（エルビット・システムズ）は9月9日、人工知能（AI）を搭載したアサルトライフル用の光学照準システムであるARCASを発表しました。兵士にFPSゲームのような情報インターフェイスで直感的に情報を提供する照準システムになり、9月14日からロンドンで始まる防衛・セキュリティ総合展示会DSEIで展示される予定です。
ゲームのような情報インターフェイス
ARCASはハンドガード下に取り付けられた電子光学（EO）サイト、ヘルメットまたはライフルのマウントレールに取り付けられた接眼レンズが連動する光学照準システムになります。これらの機器にはコンピューター化されたAIが搭載、そしてネットワークと繋がっており、サイトを通じて得た視界情報をもとに戦場の状況を瞬時に認識、解析。そして、兵士にリアルタイム、直感的な形で実用的な戦闘情報を提供します。これらの情報はレンズを介して拡張現実として兵士に提供されます。投影される情報は目的地までのナビゲーション、敵味方の識別、攻撃を受けた場合の射撃地点の検出と弾道。更に射撃補正システムとして距離測定、弾道補正、実弾射撃を必要としないゼロイン調整、マガジンの残弾、マガジンの残弾は少なくなればアラートを出し、リロードすればリセットされます。
サイト、レンズの間は通信で連動しているため、サイトの付いたライフルだけを角から出して、先の情報を確認したり、射撃を行うことも可能です。カメラはもちろん昼夜カメラで暗闇下でも使用でき、撮影モードはフロントハンドルにあるジョイスティックでサーマルカメラまたは低照度カメラに操作選択できます。
ARCASはネットワーク化されており、取得された情報はコマンド＆コントロール（C2）によって司令部に送られ、ARCASを装備する他の兵士にも伝達、共有させることも可能。兵士単独だけでなく部隊単位での能力を大幅に向上させます。
これらの機能はオープンアーキテクチャで開発されており、要望に応じてサードパーティ製のアプリケーションを組み込むことも可能です。
ARCASはアタッチメント式のシステムになるため、アサルトライフル自体にカスタマイズは要らないようです。少なくともM4ライフルには準拠しているようです。重量は1,000gになります。
