PMCの元祖「エグゼクティブ・アウトカムズ」

PMCの元祖「エグゼクティブ・アウトカムズ」が復活していた

エグゼクティブ・アウトカムズ(Executive Outcomes:EO)は世界初の民間軍事会社(PMC)とされ、その後、誕生するPMCに大きな影響を与えた会社。しかし、あまりにも大きくなり過ぎた軍事力と影響力により、1998年に解散してしまい、今では伝説となった傭兵組織だ。

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エグゼクティブ・アウトカムズとは

EOは元南アフリカ軍中佐イーベン・バーロウと元SASサイモン・マンによって1989年に南アフリカに設立された民間軍事会社で、PMCの元祖といわれている。南アフリカを拠点にグローバルに活動するも、紛争が絶えないアフリカ大陸を主なマーケットにしていた。
EOは単なる「軍事コンサルタント」や「請負業者」ではなく、熟練の元兵士や元特殊部隊など数千人の戦闘員を抱え、兵器は銃小火器だけではなく、攻撃ヘリMi-24ハインドガンシップやBMP戦闘車を含む旧ソビエトの兵器を揃えるなど軍なみの軍事力を誇っていた。

20年続いた内戦を1年で終わらせる

EOの名が知られることになったのがアンゴラ内戦。最初は国営石油会社ソナンゴルの石油施設の警備任務だったが、1993年、当時の大統領エドゥアルド・ドスサントスからアンゴラ解放人民運動(MPLA)の兵士の訓練と反政府勢力UNITA討伐を依頼される。EOの活躍によりUNITAは敗北。1994年、和平交渉を受け入れる。EOは僅か1年足らずで20年続いた内戦を終わらせた。

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シエラレオネ内戦への関与

1995年にはシエラレネオ内戦に参加。当時、反政府武装組織による革命統一戦線(RUF)による略奪や虐殺が起きる中、シエラレオネ政府よりRUF討伐の依頼を受ける。EOはRUFのゲリラ活動を鎮圧させ、彼らが制圧していたダイヤモンド鉱山を取り返し、和平交渉の席につかせ、アンゴラに続き、この地でも内戦を終わらる。しかし、その後、EOとの契約が解除され、国連平和維持軍が駐留するもRUFが息を吹き返し、クーデーターを実施。EO撤退後、再び騒乱が訪れることに。

ブラッド・ダイヤモンド (字幕版)

大きくなり過ぎたEOは解散へ

EOはアンゴラやシエラレオネ以外にもナミビアやボツワナでのダイヤモンド採掘場の監視。モザンビーク、マラウイ、ザンビア、ウガンダでの軍事訓練を行うなどアフリカへの影響力を強めていた。これに脅威を抱いたのが南アフリカ政府だった。いち民間軍事会社が国の行く末を左右する軍事力と影響力をもつことは南ア政府にとっては脅威であり、いつかその影響が自分たちにも及ぶのではと考え、当時のネルソン・マンデラ政権は国内PMCを規制する法律を導入。EOは非合法企業の烙印を押され、仕事を受けるには政府の承認が必要になる。更にEOによってPMCが注目され、海外に多くのPMCが誕生したことで、仕事も滞り、1998年にEOは解散してしまう。

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EOの復活

イギリスの大衆紙THE SUNはEOがアフリカの地で営業を再開した報じた。EOの創業者であるイーベン・バーロウは「STTEP」という社名でモザンビークとナイジェリアでPMC事業を再開させていた。ナイジェリアではイスラム武装組織「ボコ・ハラム」のテロ活動が活発化しており、STTEPはナイジェリア政府と2015年からボコ・ハラムと戦うための軍事訓練の契約を締結している。

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Source
https://www.thesun.co.uk/news/13321711/mercenary-links-mad-mike-hoare-relaunched-private-armies/

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