2017年5月にイラクで3540mの狙撃に成功したカナダ軍特殊部隊JTF-2の元スナイパーがその時の機密映像を暴露したことが問題になっています。
元JTF-2スナイパーのDallas Alexander（ダラス・アレクサンダー）は2月3日、元Navy SealsおよびCIA 請負業者であったショーン・ライアンのポッドキャストに出演し、オタワを拠点とするテロ対策部隊での経験と、2017年にイラクでイスラム国（ISIS）の戦闘員を殺害したことについて詳しく話しました。しかし、彼はその際、カナダ軍の機密扱いである3540mの狙撃の映像も暴露してしまいます。
2017年、イラクでイスラム国の掃討作戦に従事していたカナダ軍特殊部隊JTF-2のスナイパーは50口径のマクミランTAC-50ライフルで3540ｍ先のISIS戦闘員の狙撃を成功させます。着弾まで10秒もかかる超長距離射撃でした。これは2012年4月のアフガニスタンでオーストラリア軍第2コマンド大隊特殊部隊所属のスナイパーがバレットM82A1で記録した2815mを大幅に上回る記録で、未だ破られていない狙撃の世界記録です。この記録はカナダ軍も公式に認めましたが、この時、狙撃兵の名や、狙撃した状況などの詳細情報は安全上の理由、情報を公開すると敵軍を助けることになるとして公表しませんでした。これは5年以上経った今も同じです。しかし、狙撃を行った本人であるダラス・アレクサンダーが暴露したことで、狙撃兵の名と顔、そして、状況も分かってしまいました。
その時のものされる映像にはISISの戦闘員らしき2人の人物が映っており、ぼかしは入っていますが狙撃によって一人がダウン、その際のダラスらの歓声も収録されています。
これらの映像に対し、カナダ特殊部隊司令部は、2月10日のショーン・ライアン宛ての書簡の中で、ポッドキャストには機密情報が含まれており、その公開は「カナダの国家安全保障、国防、国際関係に有害」であると指摘、また、それらはカナダ軍の所有物であり「著作権侵害」にあたると映像の削除及び破棄を求めました。それを受け、ショーンは一旦、映像を削除しましたが、法律的な精査の後、問題無ければ、再度公開するとも述べています。
ダラス・アレクサンダーはカナダ政府のワクチン義務化に伴う、部隊内でのワクチン接種に反対、マスクの着用を拒否したため、軍から追い出されたと述べています。
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