ロシアのスパイになった元グリーンベレーに15年の判決がくだる

ロシアのスパイになった元グリーンベレーに15年の判決がくだる

元米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の隊員であったピーター・ラファエル・ジビンスキー・デビンズ被告は、過去15年間に渡って軍務を通じて得たアメリカの軍事機密をロシアに継続的に漏らしたスパイ行為で有罪判決を受け、15年以上の懲役を宣告された。

ピーター・ラファエル・ジビンスキー・デビンズ被告 は、1996年から2011年の間にロシアの諜報機関の諜報員に雇われ、米国の軍事機密情報をロシアの諜報員に提供していたとして昨年2020年8月21日に逮捕され、スパイ罪で告発された。バージニア州ゲインズビルの米国地方裁判所が最近、その評決を完了したと報告。国防関連の機密情報の最高刑は終身刑だが、現在46歳の元グリーンベレーのデビンズに検察官は懲役17年を求刑。裁判官は検察の主張を基本受け入れたようで、求刑に近い懲役15年8ヶ月の実刑判決を下した。

デビンズの弁護士であるデビッド・ベノウィッツは、漏洩した機密情報の内容の開示は主張はしなかったがデビンズが漏洩した情報による損失は小さく、厳しい罰を受けるべきではないと主張。また、デビンズのスパイ行為はロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)によって恐喝されたものだと主張し、刑罰の軽減を求めていた。

sponser

主張によるとGRUはピーターが同性愛者であることを利用し、脅迫。スパイ行為を強要していた。今でこそ、同性愛はオープンになりつつあり、差別も少なくなってきたが、デビンズが軍に在籍していた当時、軍には「Don’t Ask, Don’t Tell(訊ねるな、答えるな)」という政策があり、これは軍に入る者に「同性愛者かどうかを聞いてもいけないし、言ってもいけない」という政策で1994年から2011年まで施行されていた。つまり、ゲイは軍に入ること自体禁じられており、バラされればデビンズは除隊される可能性があったのだ。

しかし、検察官は、捜査の段階でピーターがGRUから脅迫されたプロセスをFBIに決して話さなかったと述べ、捏造された言い訳だと主張。デビンズ被告はミネソタ州生まれの米国市民だが、彼の母親は旧ソ連からの移民で、彼は幼い頃からロシアに興味をもっていた。検察当局によると、ロシアの諜報員に対し、自分は「ロシアの息子」だと語っていたとされている。

デビンズは大学在学中の1996年にロシアでGRU諜報部のエージェントと面会し諜報活動を始めた。1997年にはロシア諜報機関からコードネーム「イカール・レズニコフ」を与えられ、ロシアに仕えることを証明する宣誓書に署名。その後、彼は1998年から2005年まで米陸軍の現役士官として従事。その間に化学・生物・放射線・核を扱う化学部隊の担当士官、2003年8月にはグリーンベレーに入隊、そこでの階級は大尉だった。グリーンベレーは特殊部隊であり、厳しい選抜と訓練をクリアした陸軍兵士のエリートの集まりだ。グリーンベレーに入隊したのはロシア諜報部からの指示とされている。特殊部隊在籍時には隊員の名前といった個人情報。部隊の任務の内容、展開している場所の情報を提供していたとされている。法廷文書によると、デビンズ被告は2008年に陸軍を名誉除隊で退いた後も2010年まで予備役として関わり、除隊後も特殊部隊に配属されていた際の過去の活動に関する情報をロシアの諜報機関に提供していた。

sponser

Source
https://www.justice.gov/opa/pr/former-army-green-beret-sentenced-russian-espionage-conspiracy

sponser
ロシアのスパイになった元グリーンベレーに15年の判決がくだる
フォローして最新情報をチェックしよう!