アメリカの民間企業であるArcflash labs（アークフラッシュ・ラボ）社は世界初のハンドヘルド・ガウスライフル「GR-1 “ANVIL”」を発表、予約注文を開始した。価格は3,375ドルになる。
コイルガン
ガウスライフル（GAUSS RIFLE）とは、いわゆる”コイルガン（Coilgun）”の事で電磁石のコイルを使って弾丸となる物体を加速・発射する電磁砲になる。同じく電磁力を使うレールガンと混在してしまうが、コイルガンはレールを使用せず、螺旋状や渦巻状のコイルを使用するなど仕組みが異なる。大量の電力を必要とするレールガンと違い、コイルガンは少ない電力で使用できる。会社の創設者で航空宇宙エンジニアと元米空軍将校のDavid DavidWirthとJasonMurrayの2人は20年以上に及びコイルガンの研究開発を行い、世界初・唯一のガウスライフル 「GR-1 ANVIL」 を開発した。
半自動高電圧ガウスライフルであるGR-1 ANVILは、これまで一般向けに販売された中で最も強力なコイルガンであり、 おそらく、これまでに開発された中で最も強力なハンドヘルド・コイルガンでもあると同社は述べている。GR-1は、直径1.27cm以下の強磁性体弾丸を60～75m/sに加速することができ、最大101ジュールのマズルエネルギーを供給することができる。威力としては一般的な拳銃弾の9mm×19の約5分の１になるので殺傷能力は低い。とは言え、人に危害を加える上では十分な威力を持っている。
GR-1は世界最先端のコンデンサ充電システムであるデュアルクランプ準共振インバータを採用、6SLiPoバッテリーで駆動され、8HV電解コンデンサーを介して1回のフル充電で40発のショットを提供。マガジンは10発を収容でき、出力を半分にすることで最大100発/分まで発射できる。ユニークな可変マガジンシステムにより, 3つの異なる標準発射体長(32 mm、42mm、52mm)を受け入れることができる。トリガーを完全に引く前に軽く引くことによってシステムをプリチャージすることを可能にする新しいトリガーシステムを備えている。
ライフルの長さは96.52cmとアサルトライフルより若干長い、バレル長は66cmになる。重量はバッテリー、マガジン無しで9kgと結構な重さで、正直、携行しながら走り回れる重さではない。
これからに期待
3,375ドルは米国のアサルトライフルと比べても高く、その上、威力も弱く、フル充電でも発射できる数は限られ、その上、重くてデカい。正直、銃としての良い点は見当たらない。あるとすれば火薬を使わず電力なので発砲音が静かなことだ。だがこれが肝でもある。隠密性に優れているとともに、電力は調整ができる。つまり、標的や状況に応じてパワーを調整することで致死性、非致死性武器へと臨機応変に変えることができる。課題の威力や大きさもバッテリーなどの進歩が進めば改善されるだろう。電子化された武器は生体認証など発展性も高い。米軍も関心をもっているとされ、軍からの支援を受ければ開発は一気に進むだろう。銃の仕組みは100年以上、大きく変わっていない。 GR-1 ANVILは未来の銃器開発に期待持たせる銃になる。
Source
https://arcflashlabs.com/product/gr-1-anvil/
