リトアニアのNATOドイツ軍がヒトラーの誕生日を祝って撤退

リトアニアのNATOドイツ軍がヒトラーの誕生日を祝って撤退
Photo Bundeswehr

バルト三国の一つであるリトアニアにNATO軍の一員として駐留するドイツ連邦軍の一個小隊が祝日にヒトラーの誕生日を祝い、人種差別的な行為があったとして、30人の兵士がリトアニアから撤退させられた。彼らはロシアに接するバルト三国のロシアに対する抑止力を高めるため地元の兵士を訓練するNATOの「Enhanced forward presence(前方プレゼンスの強化)」の任務の一環でリトアニアに駐留していた。

複数のドイツメディアの報道によると、この撤退は4月末にリトアニアのホテルで開催されたパーティーに関連している。ドイツ軍第92戦車訓練大隊擲弾兵の小隊はリトアニアでの数日間の演習を終え、休日を迎えパーティーを開いていた。酔った彼らは性同一性障害や黒人、女性兵士に対する差別的な発言にセクハラ。更には眠っている人に性的暴行を行ったとされている。そして、一部の兵士は4月20日が誕生日のヒトラーを祝う誕生日の歌「セレナーデ」を歌うなど、人種差別、反ユダヤ主義的な言動を行っていた。ドイツの法律ではヒトラー、ナチスを礼賛したり讃美したりする言動、ナチス式の敬礼や、鉤十字マークを掲げることを禁止している。これらの騒動に憲兵隊が出動している。

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この騒動は6月中旬になって明るみになり、それを知ったドイツ国防相のアネグレート・クランプ・カレンバウアーは、「これは容認できない。すべての共犯者は最大限に罰せられる」と述べ、軍のスポークスマンは「そのような行動は許しがたいだけでなく、私たち全員に恥をかかせる」と述べ、まず最初に調査のため4名を帰国させ、そして直ぐに小隊全体となる30名を撤退させた。国防省は今後の捜査で実際に言動があった者を特定し、軍規に基づき懲戒解雇にするかなど調査する。

ドイツ軍の極右主義、ネオナチズム的な思想は今に始まったことではない。ドイツ陸軍のエリートである特殊部隊KSKは2017年には将校の送別会でナチスの儀式を行い、右翼のロックをかけ、射撃大会の商品として「女性」を用意するなどして問題になった。KSKの中で右翼過激主義的な思想が広がっているとして、その中でも特にひどかった中隊が昨年解散させられるなど、現在、ドイツ軍内では極右主義、ナチズム的思想が広がりが問題になっている。

関連記事:弾薬不明に右翼思想、ドイツ陸軍特殊部隊KSKは解散する!?

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Source
https://www.dw.com/en/german-nato-troops-return-from-lithuania-over-racism-allegations/a-57929979
https://www.fr.de/politik/bundeswehr-skandal-deutschland-rassimus-antisemitismus-rechtsextremismus-soldaten-nato-litauen-90807470.html

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