ユーロファイター戦闘機、ドイツ、イタリアが大量発注!オーダー数は120機を超える

ユーロファイター戦闘機、ドイツ、イタリアが大量発注!オーダー数は120機を超える
©AIRBUS

イタリア国防省が24機のユーロファイター・タイフーン戦闘機を新たに追加発注することが明らかになった。先月にはドイツが20機の追加発注を発表しており、現在、ユーロファイターの発注数は120機を超える。サウジアラビアやエジプトも購入を検討しており、潜在的な物も合わせると需要は200機を超えるとされ、フランスのラファールの後塵を拝していたユーロファイターが盛り返してきた。

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イタリアは今月、24機のユーロファイターを追加発注する意向を発表した。追加の戦闘機の購入に関する対応する要求はイタリア国防省の国防文書に掲載されている。購入するのは最新モデルのトランシェ4/5になり、トランシェ4にはE-Scan 欧州共通レーダー システム (ECRS) と呼ばれる新しいアクティブ・フェイズドアレイ (AESA) レーダー セットが搭載され、トランシェ5はLong-Term Evolution(LTE)と呼ばれ、新しいコックピット、アビオニクスが搭載される。計画ではトランシェ4は2060年代まで運用可能とされている。トランシェ4/5はユーロファイターの初代モデルであるトランシェ1に代わる機体として2020年代に生産が始まったモデルだ。ユーロファイターは既に運用開始から20年以上が経過している。イタリアは28機のトランシェ1を保有しているが、今回の発注はこの代わりではなく、取り急ぎ、老朽化し、退役を控えるトーネード戦闘機を置き換えるものになる。イタリア空軍は現在、14機のトーネードECR電子戦専用機を運用、ユーロファイターは94機を運用している。

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ドイツ

ドイツは2020年に33機保有するトランシェ1の更新機体として単座型30機と複座型8機の計38機のトランシェ4を発注していたが、2024年6月にこれに加え20機のトランシェ5を追加、現在、58機のユーロファイターを発注している。またエアバス社は、2030年までにドイツ空軍のユーロファイターに電子戦装備を装備したユーロファイターEKを開発する予定であるとも発表している。ドイツ空軍はユーロファイター運用国としては最大の数を有しているが、今回の発注でユーロファイターの調達は最後とされ、2030年までの納入をもって、国内の関連工場を閉鎖すると発表している。ドイツは2040年にフランス、スペイン、ベルギーと共同開発する将来型戦闘航空システム(FCAS)の配備を開始する予定で、今後はそれの開発と生産に注力する。

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スペイン

スペインはカナリア諸島に配備されている46機のF/A-18ホーネットを置き換えることを目的に2022年6月、単座型16機と複座型4機の計20機のトランシェ4を発注した。これらは2026年から2030年にかけて納入される予定だ。また、2023年9月には25機のトランシェ5を発注しており、スペインの発注数は45機になる。

その他

ユーローファイターの主な運用国は共同開発したドイツ、イギリス、スペイン、イタリアになるが、中東のサウジアラビアは72機を保有しており、4か国以外では最大の保有国になる。そのサウジは48機の追加発注を検討、生産を担うイギリスのBAEシステムズと覚書を締結していたが、サウジの人権問題に懸念を持つドイツが販売を渋り、契約が停滞していた。しかし、2024年1月にドイツ政府はサウジアラビアへのタイフーン48機の販売を阻止しないと発表しており、今後、契約が進む可能性がある。

また、2023年にはエジプトがイタリアから24機のユーロファイターを購入するという話が上がっている。エジプトは当初、ロシアからSu-35を購入する計画だったが、アメリカからの圧力もあり、その契約をキャンセルしている。トルコも2023年にユーロファイターの購入に関心を示し、イギリスと交渉しているという報道があった。

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F-16戦闘機が老朽化していたトルコは今年1月、アメリカと40機のF-16 Block70を取得し、既存の保有機のうち79機をアップグレードする契約を締結したが、初期の開発から参加し、100機購入予定だったF-35については未だ購入許可が下りていない。そのため、現在、国産の第5世代戦闘機TF-Xを開発中で、2029年までの就役を目指しているが、まだ、状況は不透明だ。ユーロファイターはそれまでの穴埋めと推測されている。しかし、ユーロファイターの購入にはドイツ政府の承認が必要だが、ドイツとトルコはシリアでの紛争を巡って対立しており、トルコに関しては不透明だ。

イタリア、ドイツ、スペインの発注分だけでも127機になる。ユーローファイター側の発表によれば、これだけで、今後10年間、生産に参加する英独伊西の4か国のGDPに580億ユーロ貢献し、各国政府に140億ユーロの税収をもたらし、年間62,700人の雇用を支えると予測されている。

#EurofighterNextGen – Taking the Eurofighter to the next level | Airbus

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