ドイツのラインメタルは1.5兆円規模の砲弾契約を受注!世界は砲弾バブル

ドイツの軍需企業ラインメタル社は20日木曜日、ドイツ軍から砲弾としては過去最高の85億ユーロ、日本円で約1.5兆円規模の砲弾の注文を受けたと発表した。これらはドイツ軍向けだけではなく、ウクライナへの軍事支援、同盟国への販売も含まれる。

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ロシア・ウクライナ戦争を受けて、世界的に砲弾が枯渇している。特にNATO標準の重砲である155mm砲に使用する155mm砲弾が世界的に枯渇しており、今回の契約の目的の大半は155mm砲弾の生産とされる。ラインメタルは声明で「この注文の主な目的は、ドイツ連邦軍とその同盟国が保有する備蓄を補充し、ウクライナの防衛作戦を支援することだ」と述べている。同社によれば、この注文にはウクライナのほか、オランダ、エストニア、デンマークも参加しており、少なくともドイツを含め5か国分の砲弾を生産する形だ。ラインメタルは現在、世界的な需要に答えるためドイツ国内に新工場を建設中。また、同社は今年3月にウクライナに4つの工場を建設し、砲弾、軍用車両、火薬、対空兵器を生産する事を発表しており、建設工事は既に始まっているとされる。

ラインメタルは来年までに年間最大70万発の砲弾を生産する計画を発表しており、これはウクライナ戦争前の生産量の約10倍にあたる。ラインメタルは今年3月の業績発表で2023年の売上が過去最高の72億ユーロだった事を報告、2024年には100億ユーロ超えを目指すと発表している。今回の契約による砲弾納入は2025年から開始される予定なので、2024年の売上には入らないので、2025年は更に売上高を更新する事が期待されている。

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アメリカでも新しい砲弾工場が操業開始

アメリカのジェネラル・ダイナミクス社はテキサス州メスキートに新しい155mm砲弾工場を建設、今年5月から操業を開始した。フルレート生産に入れば、月間3万発の砲弾を生産できる。アメリカ国防省はウクライナへの支援継続と米軍と同盟国の砲弾不足に対応するため、昨年、2025年末までに月間10万発の砲弾を生産する目標を設定した。月間10万発という目標は、ウクライナ戦争前の生産量からほぼ10倍の増加となる。既にペンシルバニア州スクラントンとウィルクス・バリの工場では合わせて月間約3万6000発の砲弾を生産しており、テキサスの工場と合わせると月間生産能力は6.6万発になり、残りはオハイオ州に本拠を置く防衛企業IMTが担うとされ、月間10万発が達成できる見込みだ。ドイツやフランスなど、他の同盟国を合わせれば西側の月間生産量は20万発を超えることになる。ちなみに今年の西側の155mm砲弾の年間生産量は130万発を予定している。

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ロシアの月間生産量は25万発以上

しかし、ロシアは現在、一国で西側を上回る量の砲弾を生産しているとされ、CNNの報道によれば月間25万発、年間約300万発の砲弾を生産しているとされる。圧倒的物量をもとにロシア軍は現在1日あたり約1万発の砲弾を発射している。それに対し、ウクライナ側は1日あたりわずか2,000発に過ぎない。2024年に西側が130万発生産しても、一日あたりに換算すると3500発でロシアの3分の1だ。ロシアは自国生産に加え、北朝鮮とイランから砲弾を輸入しており、2023年だけでイランから約30万発、北朝鮮からは100万発の砲弾を受け取ったされる。先日、プーチン大統領は金総書記と首脳会談を行っており、更なる協力を取り付けた可能性は高い。ウクライナはロシアを火力で上回るには毎月35万6400発の砲弾が必要と述べており、これは1日当たり1万1800発の砲弾に相当する。ちなみに1918年の第一次世界大戦では、ドイツ軍は毎月800万発の砲弾を発射していたとされている。

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