ロシアのTu-22M3爆撃機の射出座席が誤作動して3人が亡くなりました

ロシアのTu-22M3爆撃機の射出座席が誤作動して3人が亡くなりました

火曜日、ロシア南西部カルーガ地域のシャイコフカ軍用飛行場で離陸準備をしていたロシア空軍重爆撃機航空連隊第52警備隊のTu-22M3爆撃機の搭乗員3人が不慮の事故で死亡しました。

当初、ニュースではTu-22M3が墜落したと報じらていましたが、ロシア国営メディアのTASS通信の報道によるとTu-22M3の事故は離陸前でした。エンジン始動後、飛行前チェックの際に何らかの理由でTu-22M3の緊急脱出用の射出座席が突然ベイルアウトされ、4人の乗員が機外に放り出されました。離陸前の機体のため、速度ゼロ、高度ゼロで座席のパラシュートが開かず、乗員そのまま落下。3名が致命傷を負って亡くなり、一人は一命を取り留め、治療を受けています。

トランペッター 1/72 ソビエト軍 Tu-22M3 バックファイアC プラモデル

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23階のビルの高さ

Tu-22M3の乗員数は4人です。前の座席に2人のパイロットが座っており(左が操縦士、右が副操縦士)、右後部の席に航法士、左後部の席に兵装システム士官が座っています。すべての座席がASS(自動救助システム)のKT-1M射出座席に接続されています。緊急脱出は従来、機体の指揮官である操縦士が起動し、兵装システム士官が最初に排出され、次に航法士、次に副操縦士、最後に操縦士が排出されます。KT-1Mはツポレフ設計局によって開発された射出座席で速度ゼロ、高度ゼロ、いわゆる”ゼロゼロ”でも安全に脱出できることを謳っていますが、パラシュートは開きませんでした。排出時の高さは60m未満です。Tu-22M3の機体の高さが11mなので、乗組員は約70mの高さから落下したことになり、いわば23階建てのビルの高さから飛び降りたことになります。

ロシア国防省は、「機体を技術的に調査し、事故の原因を突き止めるためにロシア空軍の事故調査委員会を現場に派遣したと述べました。

Tu-22M3は、Tu-95MS、Tu-160と並ぶロシア空軍の主要爆撃機の一つです。冷戦時に開発され、可変翼を備え超音速で飛行する中距離爆撃機です。昼夜を問わず、いかなる天候条件でも、超音速ミサイルと爆弾で地上と海上の目標を攻撃するよう設計されており、核兵器も運ぶことができます。最近ではシリアのテロリストに対するロシアの軍事作戦にも参加しています。

Tu-22M3の乗組員死亡事故は今回だけではなく、2019年1月22日、ムルマンスク地方のオレネゴルスク空港に着陸のため進入中のロシア宇宙航空隊第40複合航空連隊のTu-22M3が墜落。乗組員3名が死亡し、操縦士1名が一命を取り留めました。

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Source
https://tass.com/emergencies/1269273

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