HJ-12(红箭-12)は中国の軍需企業NORINKOが開発する第三世代第3世代携帯型対戦車ミサイルシステムで、その姿、性能から中国版ジャベリンと言われています。
中国国産初の携帯型対戦車ミサイル
”Red-Arrow12”とも呼ばれるH-12は2014年のEuropean Sartori展で発表された中国国産初の携帯型対戦車ミサイル。開発したのは中国の大手軍需企業NORINKO。見た目は米軍のFGM-148ジャベリン、自衛隊の01式軽対戦車誘導弾にそっくりであり、模倣、参考にしていると思われます。性能についてもジャベリンに負けず劣らずのようで、戦車、歩兵戦闘車、装甲車、自走砲に加えて、低空飛行のヘリコプターやその他の航空機を破壊する性能、弾頭を使用できます。
性能はほぼジャベリンと同等
HJ-12 (Hong Jian 12 or Red Arrow 12) china advanced man-portable anti-tank guide missile system pic.twitter.com/aog9a7CHzy
— alex (@africaken1) February 28, 2021
H-12は歩兵携行式で肩に担いで照準・発射します。その重量はランチャーとミサイルを合わせて22kgで通常、射手とミサイル運搬役と2人一組で運用されます。ミサイルの誘導システムはTVシーカーによる映像認識誘導式と目標の赤外線を探知する赤外線画像誘導式(IIR)の2つがあり、IIRは01式軽対戦車誘導弾と同じ、非冷却型を採用し、コストを抑えています。IIRは自律誘導する「ファイア・アンド・フォーゲット」機能を擁します。映像認識誘導の最大射程範囲は日中で4000m、赤外線画像誘導式は昼夜関係なく2000mになります。発射の際は戦車の弱点である上面を攻撃するトップアタックと低弾道で直接攻撃するダイレクトヒットを使い分ける事ができます。
弾頭は、タンデム成形炸薬弾で、爆発反応装甲を貫通したあと、最大1100mmの均質圧延鋼装甲(RHA)を貫通し、第三世代戦車を破壊する上で十分な威力を有します。ミサイルには、半円形の弾頭フェアリングが搭載され、発射後にX字型の翼が8つ展開し、ミサイルの飛行を誘導を安定させます。発射後に点火することでバックブラストを抑え、屋内でも使用が可能です。
重量や射程、威力はほぼジャベリンと同等ですが、価格に関してはジャベリンよりも安価で現在、アルジェリア、エジプト、ナイジェリアとアフリカ諸国の軍隊での購入が広がっています。