インド海軍が国産初の空母INS Vikrantを受領するも艦上戦闘機は未定です

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インド海軍は7月28日木曜、インドの造船会社Cochin Shipyard Limited から、同国初の国産空母INS Vikrant(ヴィクラント)を受領しました。

28億5000万ドルをかけて建造されたヴィクラントは1999年に建造計画が始まり、2009年に起工、2013年に進水、以後、度重なる遅延で海上試験が始まったのは2021年8月なり、 2022年7月までの1年間に及ぶ試運転の後、就役が認められ、インド海軍に引き渡されました。インド海軍での就役予定は8月15日を予定しており、最終的な作戦運用能力の獲得は2023年を予定しています。

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INS Vikrant(ヴィクラント)とは

INS Vikrant はインド初の国産空母になり、全体の76%が国産パーツを使用して建造されています。全長262m、排水量は約45,000トン、乗員は1700人。88メガワットの電力を生成する 4 つのガス タービンで稼働し、巡航速度は18ノット(33km/h)、最高速度は28ノット(52km/h)。空母の構造は、旧ソ連の空母を改修して2013 年からインド海軍にしている空母 INS Vikramaditya(ヴィクラマーディティヤ) に似ています。サイズも同等で、発艦方式は同じスキージャンプ甲板(STOBAR)を採用しています。

艦載機は30機の戦闘機とヘリコプターを搭載することができます。艦載機用にインド海軍は対潜用として24機の統合多用途艦載ヘリコプターMH-60R シーホークをアメリカから購入。既に2機を受領、2025年までに全機納入されます。MH-60R用にヘルファイア ミサイル、MK-54 魚雷、精密キル ロケットも購入しています。その他、ソ連時代の早期警戒ヘリKa-31も搭載されます。

艦載戦闘機が未定

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艦載機はINS Vikramadityaでも運用中のロシア製のMIG-29K艦上戦闘機24機の搭載を予定しています。しかし、2009年から2017年にかけて納入された45機が導入直後に墜落事故、着陸の度に損傷とインド海軍の要件満たしておらず、海軍は近い将来、MIG-29Kを置き換えるために、新しい57機の多用途艦上戦闘機 (MRCBF)の調達の検討を行っています。検討は最終段階に入っており、アメリカのF/A-18Eスーパーホーネット、フランスのラファールMが最終候補として残っています。

F/A-18Eスーパーホーネット2機がINS Vikrantのスキージャンプ甲板(STOBAR)から離陸可能かどうかをテストするためにインドに飛び、7月に地上のテスト用STOBARから離陸を成功させました。F/A-18Eは艦載機としての実績が豊富で折りたたみ式の翼は空母の搭載能力を最大限生かせます。そして、インド国産の戦闘機HAL Tejas(テジャス)と同じエンジンを使用していることもあり、最有力と目されています。しかし、インド空軍で既にラファールを運用しており、軍全体での共通性を考えるとラファールに軍配が上がります。2022年末まで海軍は検討結果の報告を国防省にあげる予定です。

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