イタリア当局は、国連の禁輸措置に違反してリビアに向けて輸送されていた中国製の軍用無人機を押収した。
Footage of Italian authorities intercepting components of two Chinese Wing Loong II UAVs disguised as wind turbines that were heading to Libya. https://t.co/ALY7IBwRaA pic.twitter.com/WeKoW0i7Rs
— Clash Report (@clashreport) July 3, 2024
ロイター通信の報道によれば、イタリアの税関警察と税関当局は2日火曜、リビア行きのコンテナ船から風力タービン設備を装った中国製の軍用無人機2機を拿捕し、押収した。声明によると、カラブリア州南部のジョイア・タウロ港で、コンテナ6個を確認したところ風力タービンのブレードのレプリカの間に隠すような形で分解された無人機が積まれていた。隠蔽するためか、無人機機の側面には「省エネの世界」というスローガンが書かれていた。無人機はリビア東部を統制、軍事的実権を握るリビア国民軍のハリファ・ハフタル将軍の命令でベンガジに向かっていたとされ、積み荷の情報は米国からイタリア当局にもたらされた。
2011年に独裁者カダフィ大佐が失脚、死亡して以降、リビア国内は利権を巡る内戦が勃発。国連は内戦を激化させるとして、リビアへの武器販売を禁じている。
イタリア当局によると、無人機は全長10m以上、翼幅は約20m、重量は3トンを超えていた。このスペックから、輸送されていた無人機は中国の「翼龍II」とされている。翼龍IIはアメリカのMQ-9リーパーに似た外観を持つ大型無人機で最大飛行時間は32時間、最大飛行高度は9000m、最高飛行速度は時速370km/h。昼夜カメラと赤外線カメラとセンサーを備えた電気光学ポッド、衛星リンク、合成開口レーダー(SAR)を搭載し、偵察、諜報といったISRの任務の他、レーザー制御誘導ミサイルおよびGPS制御誘導爆弾など搭載し、空爆も行える.中国製だが、中国から移送されたかは不明だ。リビア国民軍はアラブ首長国連邦が支援しており、過去にもUAEが「翼龍II」を同軍に供与しており、今回もUAEが輸送した可能性が高い。他にも同軍を支援するエジプト、サウジアラビアが「翼龍II」を保有している。