イランはロシアとの合意のもと、Su-35戦闘機24機を今後3カ月以内に受け取ることを発表しました。
イランメディアのTasnim News Agencyによれば議会の国家安全保障委員会のメンバーであるShahriar Heidari氏は、1月15日、同メディアの取材に対し、イラン暦1402年初頭にSu-35がロシアから到着する予定であると語りました。イラン暦1402年初頭は西暦2023年4月頃までを指します。イランはその他、防空システム、ミサイルシステム、ヘリコプターなども要求しており、そのほとんども間もなく納入されるとも述べています。
ロシアに今、24機ものSu-35をイランに売却する余裕があるのか疑問です。ウクライナ発表では300機以上の航空機を撃墜されており、少なくとも2機のSu-35が撃墜されています。稼働率は下がっており、メンテナンスも行き届いていないとされ、最近は事故が頻発している状況です。さらにSu-35はロシアが第4世代++戦闘機と言っているように、第5世代戦闘機のSu-57の量産が進まない現在、貴重な最新鋭戦闘機です。今の戦況を考えれば、24機のSu-35は喉から手が出るほど欲しい戦力でしょう。この24機はもともとエジプト空軍が購入を予定していた機体で、アメリカ、西側の制裁を恐れてキャンセルされたものでもあります。
mod russiaロシア航空宇宙軍は5月末に6機目のSu-57戦闘機の量産モデルを受領したことが分かりました。Su-57はロシアの誇る最新戦闘機で第5世代のステルス戦闘機はウクライナ侵攻にも参加しています。コムソモリスク[…]
しかし、イランはロシアの数少ない支援国の一つであり、ロシアにこれまで数百機の自爆ドローンShahed-136や対戦車ロケットなど兵器を提供しています。イランが何も見返りがなく、このような支援を行うはずもなく、それがロシア製の最新兵器を購入できるということだと西側の諜報機関は述べています。そして、ロシアはこの支援に応えなければ、イランからの支援を受けられなくなるだけでなく、ベラルーシや北朝鮮といった他の国に影響が出てしまいます。
アメリカ、国連による経済制裁で長らく海外製の兵器が購入できてないイランは、1990年代に購入したロシア製のMiG-29戦闘機。そして、まだアメリカと友好国だった1970年代に購入したF-4、F-5戦闘機、現在ではイラン空軍しか運用していないF-14トムキャットといった古い機体を現在も運用し続けています。これら米国製の戦闘機はメーカーサポート、西側のパーツが手に入らないので、イランはリバースエンジニアリングして、独自の近代化改修を行ってなんとか使い続けていますが、パーツの共食い、墜落事故も多く、年々機体は減っています。ロシアも一応常任理事国であった手前、国連決議に添って、近年はイランへの兵器販売は自重していたのでロシア製の機体も手に入らない状態でした。
中東のイランでF-14トムキャット戦闘機が墜落しました。イランは世界で唯一"F-14"を運用している国であり、その数はもう20機弱しかない、貴重な機体です。[adcode]Footage of the crash […]
イスラエルへにも影響
イランの目下の脅威はイスラエルによる核開発施設、原子炉などへの空爆です。Su-35が配備されれば、イスラエル空軍のF-16、F-35と渡り合える戦力を持つことになります。ただ、イランの軍備増強に黙っていないのがイスラエルであり、これまでイスラエルはロシアがイランに兵器供与などしないよう、イラン、ロシアが介入するシリアでの軍事作戦ではロシアを立て、均衡を保ってきました。しかし、イランとロシアが急接近している現状にイスラエルは腹を立てており、スパイ機関のモサドもロシアによるイランへの武器提供の情報をキャッチしていました。イランに実際に兵器供与となれば、これまでロシアに配慮して行わなかったウクライナへの兵器供与があるかもしれません。
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