ISISの指導者を襲撃したのは前回に続いてデルタフォースらしい

アメリカのバイデン大統領は3日、シリア北西部イドリブにてイスラム過激派組織「イスラム国(ISIS)」の指導者アブイブラヒム・ハシミ・クラシを米軍特殊部隊が急襲し、死亡したと発表した。アブイブラヒムは最後、女子供を巻き込む形で自爆したと報じられている。

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ISISの指導者という最重要ターゲットということから、投入された特殊部隊は陸軍の「Delta Force(デルタフォース)」か、海軍の”チーム6”こと「Devgru(デブグル)」のどちらかであろうと思ったが、報道を見る限り、どうやらデルタフォースだったようだ。シリアはアメリカ、クルド、ロシア、イラン、シリアなど多くの勢力が混在する複雑な地域でミッションの難易度が高い。また、オサマ・ビンラディン殺害など最重要作戦は、米軍特殊部隊の中でも最も精鋭が集まったTier1の部隊が投入される。これに分類される部隊は米軍全体の中でも4つしかなく、武力行為を伴う実働部隊はデルタとデブグルしかない。

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2019年10月、当時のISISの最高指導者であったアブバクル・バグダディ容疑者への急襲作戦を行った際も担当したのはデルタフォースだった。次はデブグルの番かと思ったのだが、デルタが続けてISISの指導者を葬ったことになる。過去のデブグルの作戦一覧を見るとISIS絡みの作戦には絡んでいなく、それに対しデルタは少なくとも2014年以降、いくつかのISIS絡みの作戦に参加しており、ISISはデルタが専任なのかもしれない。シリアに展開する米軍のタスクフォースにもデルタが組み込まれており、現地の情勢にも精通している。

本作戦は2月3日の未明に始まり、多数のヘリと偵察用のドローン、近接航空支援としてAC-130Hガンシップ、F-16が参加。デルタフォースは第160特殊作戦航空部隊ナイトストーカーズのサポートによって作戦地域に降下している。MH-60ブラックホークヘリ1機が地対空ミサイルを発射したことによる機械的な故障で現地で1機、破壊、廃棄されたが米軍に死傷者はでなかった。

ISISがどういった連中なのかは十分認識しているはずのデルタだが、前回のアブバクル・バグダディの時と同様に容疑者は追い詰められて最後は自爆した。前回は子供3人を巻き込み、今回も子供2人と妻を巻き込んで亡くなっており、前回の経験がありながら、その教訓は活かせなかったのだろうか?

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また、デルタやデブグルの任務内容は秘密扱いで、その関与はすぐには公にされず、明るみに出るのはずっと後になる。前回は目立ちたがり屋のトランプ前大統領が早々にデルタフォースの参加を明らかにしてしまったが、今回、デルタが投入されたという公式発表はないので、もしかしたら異なる可能性もある。

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ISISの指導者を襲撃したのは前回に続いてデルタフォースらしい
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