米陸軍がAK-74の購入を検討、いったい何のため?

US Army

アメリカ陸軍はソ連のカラシニコフ社によって開発されたAK-74ライフルの購入を検討しており、購入先を探しています。しかし、米軍がなぜ、AK‐74を必要としているのでしょう?

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WAR ZONEの報道によるとニュージャージー州の陸軍契約司令部 (CCNJ)は28日、米国政府の SAM.gov 契約ウェブサイトに「AK-74タイプのカラシニコフアサルトライフルとサポート パーツを供給する潜在的なソースを求めている」という通知を掲載しました。求められているAK-74 タイプは固定ストックタイプで、バレル長が約16インチ(40cm)、4つのマガジン、クリーニングキット、オイルボトル、ショルダースリング、マニュアルがセットで状態が良いものを求めています。

AK-74はロシアの銃器メーカー”カラシニコフ”社が同社の名銃であるAK-47の後継として開発した銃で、1974年にソ連軍に配備されました。登場から既に半世紀近くが経ち、後継のAK-12が登場している今では旧式の小銃です。調達理由は明らかにされておらず、何挺調達する計画なのか数も不明です。米軍は既に訓練用に敵役が持つ武器としてある程度のAK-74を所有しています。またAK-74は世界中に出回っており中古であれば数十、数百調達するのは容易です。しかし、公共入札に情報を掲示することから、ある程度の数と新品を欲しがっていることが推測できます。

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ウクライナへの支援のため?

では、なぜ必要なのかというとウクライナ軍へ提供するためだとされます。ウクライナ軍は旧ソ連ということもあり、独立後もAK-74を主力小銃として使用してきましたが、近年、ロシアとの関係もあり、NATO基準の5.56×45mm口径の小銃で国産のAR-15に切り替えを始めていました。しかし、ロシアの侵攻が始まったことで生産が間に合っておらず、志願兵や予備役には引き続きAK-74やAKMを配備。周辺国からの提供もあり、主力小銃はAK系になっており、現在、イギリスやドイツで訓練を受けているウクライナの新兵もチェコから提供されたツァスタバM70などAK系ライフルで訓練を受けています。

米陸軍はAK-74の新品、または状態の良いものを求めており、そうなるとロシアおよびカラシニコフ社からになります。アメリカにもカラシニコフUSAという現地法人がありますが、今の情勢で同社から調達はむずかしいでしょう。なので、いわゆるAK‐74のクローンを調達することになります。アメリカ国内であればPalmetto State ArmoryがPSAK-74シリーズを、Riley DefenseがRAK-74シリーズを製造。その他、ブルガリアのアーセナル社(Arsenal JSCompany)なども製造しています。しかし、米陸軍が求めているのは本物のロシアのAK‐74、もしくはルーマニアのmd.86(AIMS-74)、東ドイツのMPi AK-74といったAK-74の設計パターンに忠実に開発製造された銃を求めています。md.86はルーマニア軍が使用しており、製造するROMARM社もHPを見る限り、生産を続けているようなので最有力かもしれません。他に北朝鮮が88式小銃、中国が86S式自動歩槍を製造していますが、これは調達は不可能です。NATO基準の5.56×45mmに対応したAK-74のコピーは欧州ではいくつか開発されていますが、兵站を気にしてか、米陸軍はAK-74従来の5.45×39mmを求めています。

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Source

https://www.thedrive.com/the-war-zone/u-s-army-is-looking-to-buy-ak-74-assault-rifles

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