旧ソ連の構成国で中央アジアのカザフスタンは自国が所有するMiG-31、MiG-27、MiG-29、Su-24といったソ連製の戦闘機100機以上を競売にかけ、売り出しました。
旧ソ連の構成国でロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に加盟する中央アジアのカザフスタンは自国が所有するソ連製戦闘機の売却を目的に、国有資産の売却電子プラットフォームに掲載、競売に掛けました。オークションに出品された軍用機は主に1970年代から1980年代に製造された117機のMiG-31、MiG-27、MiG-29、Su-24になり、これまで国内のアルマトイ、アバイ、カラガンダ、シムケント地域の航空部隊で使用されていました。117機という数はカザフスタンが所有するソ連製戦闘機120機の全数に等しい数です。
とはいえ、これをそのまま、売却するわけではありません。そもそも、今回、カザフスタンが大規模な売却に至ったのは、これらの機体が耐用年数とアップグレードの限界に達し、目的果たせなくなったのと、部品どりの機体としても役割を果たせなくなったためと報告されています。これらの機体は同空軍では既に運用を停止しています。そのため、機体は飛行を前提としておらず、駐機中の現場で解体されることを前提として、金属、非金属、電子部品、その他パーツの再利用を目的にしたものになります。
気になる価格ですが、例えば、1970年代に開発され、1982年から運用が始まったMiG-31迎撃戦闘機。ロシア航空宇宙軍では未だ現役で極超音速ミサイルKh-47M2キンジャールのキャリアとしてウクライナでも使用されていますが、カザフスタンはこれを10機で100万ドル以上で売却希望を出しています。ちなみにMig-31の1機あたりの価格は3300万ドルとされているので、かなりお得です。オークションに参加できるのは認可された法人のみになり、日本の官公庁が行う競売と同様、カザフスタン政府に認可された企業しか競売には参加できません。
カザフスタンは近年、ロシアからSu-30SM戦闘機を取得。36機を揃える予定でしたが、ウクライナ侵攻もあり、不透明です。そして、侵攻以降はロシアと距離を取りつつあり、ソ連時代の航空機をフランスのラファールやスウェーデンのグリペンなど、徐々に西側製に切り替え検討しているという情報もあります。今回の大規模な競売はロシア製兵器との決別を意味するかもしれません。
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