ロシアの国営企業Rostecの子会社であるRosoboronexporは、2021年2月の軍需見本市IDEX 2021で、デグチャリョフ設計局(Rostecが保有する高精度兵器の子会社であるZavod imeni Degtyareva、ZiD)によって設計された5.45mmの”Kord 6P67”、 7.62mmの”Kord 6P68”アサルトライフルを発表しました。
概要
Kordは”Kovrovsky ORuzheiky Degtyarevty”の略で「コヴロフ・デグチャリョフ銃器設計局”を意味し、Kord重機関銃などを開発した設計局です。Kord 6P67/6P68は同設計局が開発したアサルトライフルになり、1970年代に生産されたAEK-971の後継バリアントになります。
両銃はロシア軍の戦闘システムRatnik(ラトニク)の要件のもと開発されました。新しいアサルトライフルに出された要件は、「バランスの取れたアクション」であり、これらの要件は、AK-74MやAK-103などの前世代のカラシニコフアサルトライフルと比較して、弾のバラつきを20%削減することが求められていました。その他の要件として、2ラウンドバーストモードの追加、一体化されたピカティニーレール、および素早く取り外し可能なサプレッサーが取り付けられることです。その要件のもと開発されたのがKord 6P67(A-545)とKord 6P68(A-762)になります。
軽量、高強度、耐性のある合金を採用。両利きに対応するアンビシステムを取り入れ、人間工学に基づいたピストルグリップ、格納伸縮式のストック。30ラウンドのポリマー製マガジンにて弾薬は共有されます。重量は弾薬なしで3.5 kg、全長はは940 mm(ストックを伸ばした状態)、ストックを格納状した態で730mmです。共に800mの距離で正確な射撃を提供します。
AK-12とAK-15のライバル
ロシアのアサルトライフルというとカラシニコフ社のAKシリーズです。ラトニクのアサルトライフルの開発プログラムにはカラシニコフ社も参加しており、その時に開発されたのが、5.56mmのAK-12と7.62mmのAK-15です。AK-12とAK-15はAK-74Mに代わる主力小銃としてロシア軍に採用されており、Kordは主力小銃の採用には敗れています。理由はAK-12/15と比べて複雑で高価なためです。しかし、性能としてはAK-12よりも10%精度が優れています。2018年にKord 6P67/6P68は主に特殊部隊スペツナズと一部の空挺部隊への採用が発表され、2020年4月より量産が開始されています。
Source
https://roe.ru/eng/catalog/land-forces/strelkovoe-oruzhie/assault-rifles-/6P67/
https://roe.ru/eng/catalog/land-forces/strelkovoe-oruzhie/assault-rifles-/6P68/