パレスチナのガザ地区に侵攻するイスラエル兵がヘルメットの上に被っているフワッとしたヘルメットカバー。シェフが被る”シェフハット”とも形象されるこのカバーは「ミツネフェット(Mitznefet)」と呼ばれるイスラエル兵の象徴です。
במהלך היממות האחרונות הושלמה ההשתלטות של לוחמי צוות הקרב של חטיבת המילואים 14, בשיתוף פעולה עם לוחמי שריון והנדסה, על מוצב פלסטין בצפון רצועת עזה. במקביל, הכווין הכוח כלי טיס וכוחות ארטילריה לתקיפות מהאוויר עד להשלמת ההשלטות על המוצב >> pic.twitter.com/lHCUj0OYOy
— צבא ההגנה לישראל (@idfonline) November 15, 2023
ミツネフェットは、イスラエル国防軍(IDF)で使用される特殊なヘッドギアの一種で、ヘルメットカバーとして使用され、主に歩兵や特殊部隊の兵士によって着用されています。ミツネフェットは、一般的なヘルメットカバーとは異なり、ヘルメットの形状に合わせた丸い形ではなく、四角い形状をしており、ヘルメットよりも一回り以上大きい特殊なデザインになっています。このデザインは、ヘルメットの形状を崩し、敵の照準を困難にするために考案されました。
起原
ミツネフェットはヘブライ語で「包む」を意味し、紀元前600年ごろにエルサレム神殿でユダヤ教の大祭司が着用していた帽子から由来しています。しかし、現在のミツネフェットは帽子のような形状を保つようなものではなく、素材は柔軟で、折りたたみやすく、様々な形に合わせて装着することができます。
兵士が装着するミツネフェットはイスラエル国防軍の要求に基づいて、市街地戦や密林地帯など、ヘルメットの形状が不利である状況での戦闘に対応するためのヘッドギアとして1990年前後に開発され、1994年から実用化されています。
ミツネフェットの主な目的は敵の視線をかき乱す事です。通常、兵士は丸いヘルメットを装着していますが、このシルエットは自然や街中では異質であり、遠くからでも兵士と確認できます。また、ヘルメットと分かることで、狙撃手はヘッドショットを狙うことできます。頭を護るヘルメットですが、通常、ライフル弾を正面から防ぐ強度はありません。そこで、IDFはヘルメットをカモフラージュすることを考えます。四角く柔らかい形状のミツネフェットをヘルメットに装着することでシルエットをカモフラージュするので、敵スナイパーは認識が難しくなります。また、認識できても、頭の正確な位置がわからず、射撃の精度を下げます。
生地はメッシュでできており、通気性がよく、リバーシブルで片面はウッドランド迷彩、片面はデザート迷彩と環境に合わせて迷彩パターンを変更することできます。また、中東という日差しが強烈な地域ということもあり、日差し除けとしての用途もあります。ミツネフェットは2015年からウクライナ軍でも採用され、一部の部隊で使用されています。