NATOようやく、ウクライナにF-16戦闘機の移送開始

デンマークはウクライナに供与するために予定より2年早くF-16を退役させる
NATO

NATO加盟国は10日水曜日、ウクライナへのF-16戦闘機の移送を開始したと発表した。ロシアに対する防衛力と航空戦力を強化する待望の兵器がようやくウクライナに配備される。順当に配備が進めば今月中にはウクライナの空をF-16戦闘機が飛ぶかもしれない。

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ワシントンで開催されているNATO首脳会議においてウクライナへの軍事支援が議論されている最中、ブリンケン米国務長官は、米国製F-16戦闘機の第一陣がウクライナに移送されると述べた。最初のF-16はデンマークとオランダから移送されているとされ、「これらのジェット機は、ウクライナがロシアの侵略に対して引き続き効果的に自国を防衛できるよう、この夏ウクライナ上空を飛行することになるだろう」と述べた。ウクライナへのF-16の供与開始は当初春頃、その後、6月中と報道されていたが度々延期、7月中旬にさしかかり、ようやく移送が始まった形だ。ウクライナのゼレンスキー大統領は自身の公式Xへの投稿で、F-16戦闘機によるウクライナ空軍の強化に協力してくれた米国、デンマーク、オランダ、そして、同じくF-16の供与を表明しているベルギーとノルウェーに感謝の意を表した。

また、ゼレンスキー氏は先日8日にキーウを襲ったロシア軍によるミサイル攻撃にも触れ、「F-16はウクライナの防空力強化に使われる。今週のキーウのオフマトディト小児病院への攻撃のようなロシアの残忍な攻撃からウクライナ国民をよりよく守るのに、F-16が役立つと私は確信している。新たな兵器の参加により、我々の空軍能力がさらに強化されることを期待しています。F-16は公正で永続的な平和を近づけ、テロはいつでもどこでも失敗に終わることを示してみせます。我々のチームは、ウクライナの防衛能力を強化する合意に達するためにワシントンで作業を継続します。」とXで綴った。

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ウクライナへのF-16戦闘機供与

ウクライナが待ち望んだF-16戦闘機の供与は昨年5月に日本で開催された広島サミットでのゼレンスキー氏とバイデン大統領の会談で実現した。それから約1年、ウクライナ人パイロット、エンジニアに向けた訓練が行われ、少なくとも12人のパイロットが既に訓練を終えている。現在も数十人が訓練を続けている。F-16の供与数は今のところデンマークが19機、オランダが24機、ノルウェーが2機、ベルギーが30機の計75機の供与が発表されている。最初に納入されるのはデンマークが供与する6機と報道されていたが、今回、オランダからも運ばれているとの事でもっと多い可能性も。初回分で何機がウクライナに移送されるのか、数は明らかにされていないが、少なくとも6機以上とは思われるが、戦略上の事を考えれば、正確な数は明かさない方がよいだろう。

年内にどれぐらいの数がウクライナに移送されるかは不明だが、ベルギーは当初2025年に供与予定だったものを2024年中に前倒しすると発表している。ただ、機体の供与よりもパイロットの育成が間に合っていないとの報道もある。パイロット訓練には10か月の期間が必要だ。

F-16はウクライナ軍がこれまで使用していたMig-29、Su-27よりも性能が高く、レーダー探知距離、射程範囲が大幅に向上する。最大射程160kmの空対空ミサイルAIM-120D AMRAAMを搭載でき、データリンクシステムはパトリオットミサイルなどNATO兵器とリアルタイムで情報を共有する。

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