世界最強の海軍はどこの国でしょう？グローバル・ファイヤーパワー（Global Firepower）では、海軍力を艦船の数を持ってランキング化していますが、一位は何と北朝鮮になり967隻、4位には398隻のイランが入ってくる。しかし、艦船の数が≠海軍力という訳ではない。では、海軍力1位がどこなのか？Military.comなどいくつかのサイトでランキング化されており、それを基にまとめた。
1位 アメリカ海軍
世界ナンバー１の軍事力を誇るアメリカは海軍も最強だ。30万人以上の兵員を有し、200隻以上の艦船、3700機以上の航空機を擁する。特に70～80機の航空機を搭載できる原子力空母11隻は他国を圧倒している。護衛軍艦、攻撃潜水艦とともに編成される空母打撃軍は空中、ミサイル、海上、および水中と全ての脅威に対応できる。他にも最新鋭の原子力潜水艦バージニア級に最新の防空システムを備えたタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 、史上最大の駆逐艦ズムウォルト級を擁するなど全ての艦船クラスで最強・最新の戦力を擁している。
航空母艦：24隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリゲート艦：22隻
駆逐艦（護衛艦）：68隻
コルベット艦：15隻
潜水艦：68隻
哨戒艦：13隻
掃海艇：11隻
2位 中国人民解放軍海軍
世界3位の軍事力誇る中国は海洋進出を活発化させており、400隻以上の艦船を擁し、艦船数だけ見れば世界最多であり最も強力な海軍になりつつある。近い将来、米軍を超えるとも言われている。25万人の兵員は米軍に次ぐ規模になり、米軍には遠く及ばないものの遼寧と山東の2隻の空母を擁し、更に3隻目の空母003の建造が進んでおり、これは米軍の空母にも匹敵する能力がある。最近でも強襲揚陸艦075型を2020年に就役させている。航空機は700機を擁し、潜水艦は78隻、その中には攻撃型原子力潜水艦も含まれており弾道ミサイルを搭載している。まだ古い艦艇が多いが、驚異的なペースで切り替えが進んでいる。
航空母艦：4隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリゲート艦：52隻
駆逐艦（護衛艦）：33隻
コルベット艦：42隻
潜水艦：76隻
哨戒艦：192隻
掃海艇：33隻
3位 ロシア海軍
軍事力2位のロシアだが、海軍力においては兵員15万以上、250隻以上の艦船、300以上の航空機とアメリカとは圧倒的な差がある。特に空母に関してはクズネツォフ空母一隻しかなく、数年間ドッグに入ったままで、運用能力を喪失している状況で実質持っていないと一緒だ。他の艦船も老朽化している。そんなロシア海軍の主力は潜水艦になり、保有する潜水艦の約半数は原子力潜水艦になる。超音速ミサイルを発射できるなど、弾道ミサイル潜水艦に力を入れている。
航空母艦：1隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：13隻
駆逐艦（護衛艦）：13隻
コルベット艦：82隻
潜水艦：56隻
哨戒艦：45隻
掃海艇：47隻
4位 日本・海上自衛隊
軍事力は世界6位になるが、海軍力（厳密には軍ではないが）は4位とランクアップする。5万人の兵員と150隻以上の艦船、300機以上の航空機を擁している。空母は所有していないが”いずも型ヘリコプター搭載護衛艦”をF-35Bの離発着可能に改修、2021年10月に米軍機によって着艦・発艦を成功させ、事実上、空母化した。隣国中国に兵力は遠く及ばないが、兵員の練度は高く、ほとんどの艦艇が高い準備状態で維持されており、稼働率も高く、最新装備を備えている。潜水艦はディーゼルエンジンになるが、最新の「そうりゅう型」は各国の原子力潜水艦と比べても遜色ない性能を擁するといわれている。
航空母艦：4隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：0隻
駆逐艦（護衛艦）：37隻
コルベット艦：6隻
潜水艦：18隻
哨戒艦：6隻
掃海艇：25隻
5位 イギリス海軍
軍事力は世界8位。第二次大戦が始まるまでは世界中に植民地と拠点を擁し、世界の海を支配する世界最強の海軍だったが、第二次大戦後は米軍にとって代わられ、徐々に規模は縮小しており、3万人の兵員に、約60隻の艦船となっている。しかし、2020年には新型空母プリンス・オブ・ウェールズが就航し、クィーン・エリザベスと空母は2隻体制になった。潜水艦は最新鋭のアスチュート級など4隻の攻撃型原子力潜水艦を保有するなど装備は最新に切り替わりつつある。
航空母艦：2隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：13隻
駆逐艦（護衛艦）：6隻
コルベット艦：0隻
潜水艦：10隻
哨戒艦：22隻
掃海艇：13隻
6位 フランス海軍
軍事力は世界5位になり、海軍力は6位。3万人以上の兵員に70隻以上の艦船、200機以上の航空機を擁している。米軍以外では唯一の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」を擁し、核攻撃可能な艦載機を搭載している。海軍には8,000人規模の海軍歩兵旅団があり、3隻のミストラル級強襲揚陸艦を擁し、潜水艦には核攻撃可能なル・トリオンファン級など複数の原子力潜水艦を擁するなど自力はある。
航空母艦：4隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：11隻
駆逐艦（護衛艦）：12隻
コルベット艦：0隻
潜水艦：10隻
哨戒艦：23隻
掃海艇：17隻
7位 インド海軍
軍事力は世界4位だが海軍力は7位と下がる。6万人以上の兵員に200隻以上の艦船、200以上の航空機を擁している。空母は現在1隻体制だが、初の国産空母のヴィクラント級など、今後3隻の空母の建造を計画している。他にも最新のコルカタ級駆逐艦は世界で最も有能な駆逐艦といわれており、近年海軍力を高めている。初の国産原子力潜水艦アリハント級を2009年に進水したが、その後、原子力が臨界に達する、浸水など問題が起きている。 中国に対抗し、海軍力の増強を図っており、今後は更に上位にくると思われる。
航空母艦：1隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：13隻
駆逐艦（護衛艦）：11隻
コルベット艦：22隻
潜水艦：16隻
哨戒艦：139隻
掃海艇：1隻
8位 韓国海軍
軍事力は世界7位。7万人以上の兵員と130隻以上の艦船、70機以上の航空機を擁している。空母は持っていないが独島級の強襲揚陸艦2隻を保有しており、将来的に空母に改修することを検討している。駆逐艦の世宗大王級は米軍のズムウォルト級に次ぐ性能を有しているといわれる。韓国の潜水艦はドイツのディーゼル潜水艦の209型と214型を国内でライセンス生産していたが、現在、そこで得たノウハウを基に建造した国産の潜水艦「島山安昌浩級潜水艦（ドサン・アンチャンホ級）」が2021年に就役。SLBMの発射も成功させた。
航空母艦：2隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：13隻
駆逐艦（護衛艦）：12隻
コルベット艦：13隻
潜水艦：16隻
哨戒艦：64隻
掃海艇：11隻
9位 イタリア海軍
軍事力は世界11位。3万人以上の兵員と50隻以上の艦船を擁している。2隻の軽空母を保有しており、2隻目のカヴールは強襲揚陸艦の任務もこなす設計になっている。海軍には4,000人規模の強力なサンマルコ海軍旅団がおり、3隻のサン・ジョルジョ級強襲揚陸艦と2019年に就役した新型のトリエステによって運用されている。
航空母艦：6隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：12隻
駆逐艦（護衛艦）：4隻
コルベット艦：1隻
潜水艦：8隻
哨戒艦：14隻
掃海艇：10隻
10位 台湾海軍
軍事力は世界で22位になるが、島国で海峡を隔てて中国の脅威にさらされている台湾は海軍に力を入れている。約4万人の兵員に80隻以上の艦船を有している。艦船の多くは米国から購入したもの。最新ではないもののオーバーホールしており、性能は高い。現在4隻の潜水艦を擁するが最新の海龍級2隻でさえ、就役から30年以上経過し、他の2隻は60年と老朽化が危惧されている。
航空母艦：0隻（強襲揚陸艦、ヘリコプター空母を含む）
フリーゲート艦：24隻
駆逐艦（護衛艦）：4隻
コルベット艦：1隻
潜水艦：4隻
哨戒艦：43隻
掃海艇：10隻
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http://www.military-today.com/navy/top_10_navies.htm
https://www.globalfirepower.com/navy-ships.asp
