次はF-16戦闘機!?ウクライナが期待する次の軍事支援

次はF-16戦闘機!?ウクライナが期待する次の軍事支援
USAF

レオパルト2、エイブラムスと西側製戦車を手に入れたウクライナ。ウクライナが次に狙っているのがF-16戦闘機とされており、オランダが要望があれば提供する旨を示し、F-16の生産元であるアメリカのロッキード・マーティン社は各国がF-16が提供しても直ぐに補填できるよう生産準備を整えています。

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ファイナンシャル・タイムス紙の報道によれば、ウクライナへの西側製戦車の提供が実現したことにより、兼ねてから声が上がっていたF-16戦闘機のウクライナへの提供が再燃してきており、これに対し、F-16の生産元であるロッキード・マーティン社は西側の同盟国がウクライナにF-16を提供後も、その需要満たすための準備はできていると述べました。それは、つまり、F-16を提供したことで、失った航空戦力を早く穴埋めできるように生産体制を強化するということであり、サウスカロライナ州グリーンビルにあるF-16工場の生産を増やすと述べています。

F-16の提供については実際、オランダ政府が1月19日にドイツのラムシュタインで開催された米国主導のウクライナ防衛会議でウクライナが要求すれば16機の提供を検討すると表明しています。オランダは次期戦闘機として52機のF-35A戦闘機の配備が決定しており、F-16は売却を進めているところです。デンマークやノルウェーも今後、同じ理由で余剰となるF-16があります。更にポーランドやスロバキア、ブルガリアなどが新たにF-16を調達する予定です。スロバキアはそれもあり、要らなくなる12機のMig-29戦闘機のウクライナへの提供を決定しています。

これまで戦闘機の提供については状況をエスカレーションさせるとして、ロシアの侵攻当初から一貫して提供を拒否してきましたが、ソ連製のMig-29戦闘機が提供されるなど方針は次第に緩和されています。西側製戦車も同様の理由で提供されていませんでしたが、今回、提供に至ったことで、ウクライナ側もF-16の供給を期待しています。F-16の提供については生産元のアメリカ政府の承認が必要ですが、この件についてはまだ口を開いていません。しかし、米国下院は、2022年7月に米国の戦闘機を操縦するためのウクライナのパイロットの訓練に1億ドルの予算を割り当てるなど布石は打ってあります。

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戦闘機よりも防空兵器

パトリオットミサイル
パトリオット(US Army)

しかし、戦闘機は高価で運用コストも高く、訓練に長い期間が必要です。それよりも防空兵器を増やすべきという声もあります。実際、今回の戦争では圧倒的航空戦力を保持しならロシアは未だに制空権をとれていませんし、航空優位性すら取れていません。その理由としてはウクライナに多数配備された防空システム、そして携行式対空ミサイル(MANPADS)です。これにより、ロシア軍は少なくとも70機、ウクライナ側の発表では290機の機体を失っています。それもあり、ロシア軍は最近、撃墜リスクの高い、近接航空支援の頻度を減らし、長距離ミサイルによる攻撃に切り替えています。

理想なのは移動可能な自走式対空ミサイルなのですが、アメリカはじめ、西側はこれまで圧倒的航空戦力で制空権を奪取するという戦法を取っていたため、自走式対空ミサイルの数が少なく、対ミサイル用、拠点防衛用の固定式が占めています。この分野においてはBukやS-300といったソ連/ロシア製が先行しています。F-16を受領しても、ロシアの国境付近を飛行すれば、S-300、S-400といった長距離防空ミサイルによって撃墜されるリスクがあります。それを避けるために低空飛行が余儀なくされますが、それによって結局、F-16の能力は制限されることになります。

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F-16戦闘機とは

F-16
USAF

F-16戦闘機はアメリカのジェネラル・ダイナミクス(GD)社によって1970年代に開発、1978年に運用が始まった冷戦期の第4世代多用途戦闘機です。GD社は航空機製造事業をロッキード・マーティンに売却しており、現在はロッキード社がF-16を生産しています。これまで延べ4,500機以上が製造され、20カ国以上で採用されたベストセラー戦闘機です。現在でも2000機以上が運用されており、戦闘機としては最多の運用数を誇ります。制空戦闘はもちろん、対地攻撃としても使用できます。

今後、戦闘機の主役の座は第5世代戦闘機のF-35に徐々に譲ることになりますが、米空軍は2050年まで運用することを予定しています。

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Source

https://www.ft.com/content/88d19145-5235-45e4-80e6-ade3530060d2

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