北朝鮮が150機の航空機を一斉に出撃させる史上最大規模の航空攻撃訓練を行っていた

衛星画像を用いて分析。北朝鮮空軍は500機以上の戦闘機を保持している

連日の弾道ミサイルの発射で日米韓に牽制をかける北朝鮮だが、8日に空軍機150機を同時出撃させる大規模な航空攻撃演習を行っていたことが分かった。

韓国軍は10日、北朝鮮が8日に戦闘機や爆撃機を動員した「大規模航空攻撃総合訓練」を実施していたことを発表した。これは米空母ロナルド・レーガンが参加して日本海で行われた米韓合同軍事演習に対抗したものとされるが、その規模は何と150機にものぼり、戦闘機や爆撃機など様々な機体が同時に出撃したとされる。韓国の朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の航空機演習の規模としては史上最大規模になる。韓国軍が設定する特別監視線を越えることは無かったが、韓国空軍はF-35A戦闘機をスクランブル発進させている。韓国が北朝鮮に対し、F-35Aを発進させるのは実に9カ月ぶりになる。

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保有数は約500機

北朝鮮空軍は約500機の航空機を保有しているとされ、150機は全戦力の3分の1に相当する。しかし、国連の経済制裁下で慢性的な燃料と部品不足の上に、所有する機体の多くは他の国では既に退役しているような旧式機体で稼働率は非常に低い。最も新しい機体で1970年代に開発されたソ連製のMiG-29戦闘機とSu-25攻撃機になる。この2つはロシア・ウクライナ戦争でも両軍使用しているように唯一、北朝鮮空軍が第一線を張れる機体であり、保有数はMig-29が18機、Su-25が34機とされ、イギリスの国際戦略研究所(IISS)の調べでは、その内3分の2が稼働状態とされている。他の戦闘・攻撃機はIl-28爆撃機、Mig-15戦闘機といった博物館レベルの航空機しかないとされ、訓練に参加した150機の多くは輸送機や訓練機、軍用ではない機体も含め、とりあえず国内にある飛べる機体をかき集めて飛ばしものと推測されている。結果、北朝鮮は虚勢を張るため、貴重な航空燃料を消費、機体寿命を縮ませことになる。

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