北朝鮮の将校がロシアへ、中国人民解放軍はNATOの隣ベラルーシで合同軍事演習を実施

北朝鮮の将校がロシアへ、中国人民解放軍はNATOの隣ベラルーシで合同軍事演習を実施

ロシアを支援するためウクライナへの派兵が噂される北朝鮮。そんな中、朝鮮人民軍のエリート軍事訓練代表団がロシア訪問に出発したと北朝鮮の国営メディアが9日火曜日に報じた。今年6月にプーチン大統領が北朝鮮を訪問し、金正恩総書記と首脳会談を行い「包括的パートナーシップ条約」を締結して以降では初の軍事交流となる。

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北朝鮮、ウクライナ派兵のための準備?

ロイター通信の報道によると、平壌の名門陸軍士官学校の校長率いるエリート軍事訓練代表団が今週初め、ロシア訪問に向けて出発した。訪問の目的は明らかにされていないが、訓練学校の士官といったエリートなので、少なくとも代表団がウクライナに行くことはなく、軍事交流が目的と思われる。ロシアと北朝鮮はソ連時代から軍事交流は盛んだ。

しかし、「包括的パートナーシップ条約」締結後の訪問ということもあり、北朝鮮兵のウクライナ派兵に向けた準備、話し合いの可能性も取りざたされている。ロシアと北朝鮮が締結した条約は「いずれか一方が武力侵攻を受けた場合、もう一方の国が、遅滞なく、保有するすべての手段を用いて軍事その他あらゆる援助をする」と相互援助を規定している。ロシアはウクライナを侵攻している立場だが、ウクライナ4州とクリミア半島を一方的に併合している。そこへの攻撃をロシア領内へのウクライナによる侵攻ととることも考えられる。金総書記はプーチン氏との会談で「朝鮮はロシア政府に全面的な支持と連帯を表明する」と述べており、条約前から砲弾と軍事物資を支援してきた。アメリカ政府は報告書で、ロシア占領地域の再建作業を支援するために北朝鮮の工兵部隊が派遣される可能性があると報告しており、注意深く監視している。北朝鮮による人民軍兵士のウクライナへの派兵、または占領地の復興のための労働者の派遣は2022年から噂されていたが、実際にそれがなされたという報告は今のところない。ただ、相互援助条約の締結が公になった事でそれが実現する可能性は高い。

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中国はベラルーシに人民解放軍を派遣し、NATOの隣で軍事演習

きな臭い動きは北朝鮮だけではない。中国はロシアの衛星国であるベラルーシに人民解放軍を派遣。今月8日から、ベラルーシ軍と合同軍事演習「Attack Falcon」を実施している。演習の目的は不明だが「対テロ合同軍事演習」と中学側は述べている。規模は不明だが、ベラルーシ軍からは特殊部隊が参加、夜間戦闘や市街地戦闘訓練が行われた。問題は演習の場所で、報道によればポーランド国境から30kmほどしか離れていない場所で行われており、明らかにNATOに対するけん制、挑発と受け止められている。演習を行ったタイミングもNATO創設75周年の首脳会談がワシントンで開催されている時だ。そもそも、中国が欧州のベラルーシに軍を派遣し、演習する必要性が感じられないが、日本は最近、NATOとの関係を強化、インド太平洋の平和と安定のために関与を強めるよう働きかけており、NATO首脳会談には加盟国以外にも日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが出席している。NATOがインド太平洋に関与してくるのは中国にとってはもちろん面白くないだろう。であればとNATOと敵対し、対NATOの最前線であるベラルーシと中国は関係を強化している。

中国の習近平国家主席とベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は2023年3月に北京で会談し、関係を強化。そして、今月4日には中露が主導する国家連合「上海協力機構」にベラルーシが加盟している。上海協力機構には中国の友好国であるロシア、イラン、パキスタン及び、中央アジアの旧ソ連構成国4か国、そして、以外にも中国と敵対するインドが加盟している。

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