将来、米軍はドローンを機動状態で素早く発進するために、ピッチングマシンを改造したランチャーを使用する可能性がある。
NASAが開発したドローンランチャー
POPULAR MECHANICSによると、カリフォルニア工科大学と米航空宇宙局 (NASA) ジェット推進研究所 (JPL) の研究チームが、ドローンを急いで打ち上げる斬新な方法として、野球のピッチングマシンで空中に打ち上げる方法を考案した。この技術を使えば、将来の米軍がクアッドコプター型無人機を迅速に、さらには動く車両からも発射できるようになるかもしれない。
米軍の偵察任務はドローンにますます依存している。ドローンを使用することで地上部隊は敵の位置の情報を収集することができる。上空からであれば障害物の背後にいる敵さえも把握できる。しかし、大型ドローンはコストがかかり、小回りが利かないが小型の クワッドロータードローンは歩兵でも持ち運べ配備と操作も簡単だ。ただし、通常、ドローンを起動発進するには戦闘車両を停止し、関連機器を取り出し、外に出て設置する必要がある。しかし、戦闘下では危険を伴い、変化の激しい戦場において、その時間が命取りになる可能性がある。
そこでカリフォルニア工科大学とNASAのJPLのチームは、安価でローテクな方法でクアッドコプターを打ち上げることができる方法として野球のピッチングマシンを思いついた。ピッチングマシンは通常、モーターで駆動される2つの回転ホイールで構成される。ボールは、二つの動くホイールの間に挟み込まれ、バッターに向かって放出される。これをボールの代わりにドローンを上空に向かって射出した。
530グラムのドローンは約10mの高さまで打ち上げられると、ニッケルクロムのワイヤーが加熱され、ドローンの翼を折り畳むワイヤーが溶ける。ドローンの翼が開いて1秒で飛ぶことができる。
研究者たちは、救助隊の捜索任務や、研究、調査などで車外に出れない状況で使用することを目的しているが、軍は早くも目を付けている様子。軍用ハマーに代わるジョイント・ライト・タクティカルビークル(JLTV)にはドローンランチャーが装備されており、このランチャーを使えば隊員は車から降りずに複数のドローンをすばやく発射できる。時速80㎞までの速度でも通常どおりに動作できるので、戦車、戦闘車の走行中の使用も問題ない。