イスラエルの軍需企業IAIはバックパックで持ち運べる携行式ミサイル「Point Blank(ポイント・ブランク)」を発表しました。
ポイント・ブランクは歩兵が携行できる電子光学・GPS誘導式のミサイルですが、その特徴はミサイルの発射に必要なランチャーを必要としないことです。携行式のミサイルは対戦車ミサイルにせよ、MANPADS(携行式対空ミサイル)にせよ、発射には通常専用のランチャーが必要ですが、ポイント・ブランクは VTOL (垂直離着陸) 式ミサイルで、ランチャーを必要としません。ミサイルは人の手から直接、空中に放たれ、歩兵部隊に新しい戦術・攻撃能力をもたらします。
スペック
映画『スターウォーズ』に出てくるXウイング・スターファイターのような見た目ですが、映像を見る限り、翼のような部分には回転翼が内蔵されており、4つの回転翼(クワッドローター)と後部に推進機構を持つミサイルのようです。これにより、VTOLを実現、空中でホバリングも可能です。アタックモードでミサイル軌道上に入る時は機首を横に倒し水平飛行モードになります。
ミサイルであるポイント・ブランクにはもちろん弾頭が搭載されており、電子光学またはGPS ガイダンスによって平均誤差半径(CEP)1mの精度で静止・移動標的を攻撃します。リアルタイムで情報を確認できる電気光学システムは偵察監視用途にも使え、攻撃せずに回収することもできます。
重さは約7kgと軽く、片手でも持てる重さです。大きさは全長1m、翼幅0.8m、バックパックで携行可能とありますが、組み立て式なのか、翼が折り畳めるのかは不明です。ミサイルは高度450m以上を最大速度280km/hで、最大20分間飛行します。最大射程は10kmで攻撃前に空中でホバリングしながら標的の情報と正確な位置を確認してから、ミサイル軌道に入ることができます。
ポイント・ブランクは携行も操作も全て兵士一人で完結します。
米軍が調達を決定
IAIは1月18日、米国国防総省 (DoD) の IWTSD (Irregular Warfare Technical Support Directorate) から、数百万ドルの契約を獲得したことを発表しました。 IAI は、米国会計年度2023年に評価とトレーニング、運用テストを含めたプロトタイプを提供します。
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