ポーランド陸軍の兵站を担当していたケンプチンスキー少将は、対戦車地雷を家具販売店のIKEAの倉庫に一時的に保管、それを隠蔽したとして、職務を解任された。
ポーランド国防省は1月9日、アルトゥール・ケプチンスキー少将が軍事支援監察局長の職を解任したと発表した。国防省はその理由を発表していない。しかし、ポーランドメディアによって、その理由が明らかにされており、解任の理由は輸送中だった対戦車地雷の一時的な紛失にある。
2024年6月、ポーランド陸軍は1000トンの爆発物を含む軍事装備品を列車で移送。北西部の都市シュチェチン近郊で、それらの軍事装備品は兵士らによって荷降ろしされた。列車を直ぐに返却する必要があり、兵は急ぎ、荷降ろしを行ったが、不注意により全ての荷物が降ろされず、貨物には240個のTM-62M対戦車地雷、重量にして2.2トンの爆発物が残したまま荷降ろしを終えてしまう。地雷が残っているとも知らず、列車は次の目的地に向かい、地雷を乗せたまた列車は11日間ポーランド国内を移動した。その間、地雷は他の荷物と交わる事になる。ポーランド陸軍は地雷の紛失に気付くと、捜索を開始、地雷はスウェーデンの家具販売会社IKEAの中央倉庫で他の日用品の荷物と一緒に山積みされていた。
地雷の紛失も問題だが、その後の対応もよろしくなかった。兵站の責任を担っていた軍事支援監察局長でケンプチンスキー少将はその事実を隠蔽、補給報告書には虚偽の数字を記載していたと伝えられている。しかも、地雷は発見されてもしばらくIKEAの倉庫にあったとされ、IKEA担当者から「いつ、地雷は回収されるのか?」という問い合わせと、匿名の手紙を受け取った事で、この事実が明らかになったとされる。兵站を担っていた軍支援監察局の戦闘資産局の責任者であるピョートル・コルネルク大佐とロバート・スクロンテク大佐が昨年末に退役申請を提出している。