PP-2000はUzi(ウージー)やMP5よりも軽く、9㎜のサブマシンガン(SMG)ではもっとも軽いといわれいる。コンパクトで小回りもよく、市街地を担当する特殊部隊やパイロットの自衛用として採用されるロシア製のSMGだ。
概要
PP-2000はロシアのKBP器械製造設計局(KBP Instrument Design Bureau)によって2001年に開発、2004年に登場した。これはソ連崩壊後のロシアで最初に開発されたピストル口径の銃だった。対テロ特殊部隊向けに設計開発され、主に市街地での利用を想定している。CQB(近接戦闘)における高い火力を維持しながらも余分なパーツは極力排除し、軽量、コンパクト化された。2008年にロシア警察の標準SMGとして採用。上着の中にも納まるコンシールドキャリー可能な銃は警護用としても重宝された。また、そのコンパクトさから、2019年にはAKS-74Uライフルに代わって航空機パイロットの自衛用の銃として航空機のサバイバルパックにも採用されている。
スペック
PP-2000は一般的なピストルと同じ9㎜口径で9x19mmパラベラム弾を使用する。これは対テロ、市街地戦といったCQBでの利用を考慮した設計のためだ。これまでCQBではAK-74のショートカービンモデルAKS-74Uが使われたきた。しかし、5.45㎜のAKS-74Uでは威力がありすぎ、壁を貫通して無用な被害を出す危険性が高かった。かといって拳銃では火力不足。そこで既に欧米では主流であった9㎜ピストル弾を使うSMGが開発される。9㎜であれば貫通を極力防ぐことができる。
防弾ベストも貫通できる
最大44発入りのマガジンが用意され毎秒10ショットの発射速度と、200mの射程を有している。相手が車や防弾ベストを着用している場合は装甲貫通弾(徹甲弾)の7N31を使用する。これは3メートルの距離で厚さ90 mm、5メートルの距離で50 mm、最大8メートルの距離で15 mmの鋼板を貫通することができる。
軽い
重量はマガジンとストックを除くと1.4㎏しかない。同じクラスのUZI(3.8kg)、MP5(3kg)の半分以下だ。人間工学に基づいた設計は余計なパーツを排除し、ボディには強化プラスチックを採用、軽量化と耐食性の向上を実現している。軽いながらも反動は抑制され、連射時の跳ね上がりも少ない。
取り外し可能なストックは折り畳みが可能。また予備のマガジン(44発)をストック代わり(写真上)に装着できるというユニークな設計も特徴だ。
レシーバー上部にはピカティニーレールが配備され光学機器の追加が可能。トリガーガードの下には専用のアタッチメントでライトが装着できる。銃口には専用のサイレンサーが装着できる。
口径 | 9㎜ |
重量 | 1.4㎏(ストック、マガジン無し) |
全長 | 340 ㎜(ストック無し) |
銃身長(バレル) | 182㎜ |
弾丸 | 9×19㎜パラベラム弾 9×19㎜ 7N21弾(徹甲弾) 9×19㎜ 7N31弾(徹甲弾) |
装弾数 | 20/30/44発 |
射程距離 | 200m |
発射速度 | 600-800発/分 |
http://www.tulatskib.ru/produce/military/pp-2000.php
https://tass.com/defense/1073742